メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

明治大教授 斎藤孝さん

明治大教授の斎藤孝さん=東京都港区で、中村藍撮影

 <2017 第89回センバツ高校野球>

    自分自身を乗り越えて 斎藤孝さん(56)=静岡

     高校時代はテニスにのめり込みました。内心、注目を浴びる野球部に張り合う気持ちがあり、野球部より長く練習しようとしていました。

     サーブは「この一球しかない」と思って臨みました。「この一球は絶対無二の一球なり されば身心を挙げて一打すべし……」。部室に日本テニス界の先駆者、故福田雅之助さんの言葉を書いた色紙が飾ってありました。徒然草にも「初心の人、二つの矢を持つことなかれ。後の矢を頼みて、初めの矢になおざりの心あり。毎度ただ得失なく、この一矢に定むべしと思え」とあります。重要な局面で気持ちを落ち着かせようと息を止めたり吐いたりして工夫しました。20代から呼吸法や体と心はつながっているという身体論を研究したので、高校で考えたことが研究に生きたと思います。

     甲子園は幼い頃、同じ町内の藤波行雄さん(元中日)がいる静岡商が出た時に行きました。母校は高3の夏に出ましたが、行けませんでした。友達が出たので「あいつが打ったんだ」と後日、盛り上がり、笑い合ったのを記憶しています。

     センバツ出場は部活動の成果を全国の人に見せられる素晴らしい瞬間。自分自身を乗り越える気持ちで立ち向かえばプレッシャーに勝てます。息をすっと吐き、軽くジャンプしてリラックスし、「こんなに見つめられてうれしい」という気持ちになってほしい。

     ここ数年は春も夏も全試合録画して見ています。一塁に全力疾走する精神を全員が持っていることは素晴らしい。ベンチに入れずスタンドで応援する人が映った時も見ています。一丸となって戦うのが一番良いところなので、選手たちは皆で戦っている気持ちで、のびのびとプレーしてほしいですね。【聞き手・山下貴史】=つづく


     ■人物略歴

    さいとう・たかし

     静岡市出身。静岡高、東大卒。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。ベストセラーになった「声に出して読みたい日本語」や「新しい学力」など著書多数。

    あわせて読みたい

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    関連サイト