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18センバツ国栃/上 春への軌跡 平常心で破った「壁」 新チーム合言葉は「それな!」 /栃木

18年ぶりに秋季県大会を制し、笑顔を見せる国学院栃木の選手たち=宇都宮清原球場で2017年10月1日

 <第90回記念選抜高校野球>

     第90回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)で、県内からは国学院栃木が18年ぶり4回目の出場を決めた。昨年まで夏の栃木大会は3年連続で準優勝。ついに「あと一歩の壁」を破ったチームの軌跡を追った。【李舜】

     2-9、6-15、そして昨年は1-15。ここ3年間、夏の栃木大会決勝で国学院栃木は作新学院に大敗を喫してきた。「3年連続準V」は地力がついた証しとはいえ、甲子園への扉を開けるには、「何か」が足りなかった。

     2016年夏には全国制覇を成し遂げた作新学院を、柄目(つかのめ)直人監督(35)は「目標とする存在」と評した。作新の小針崇宏監督(34)とは縁がある。筑波大野球部の1学年後輩で、18年前のセンバツでは柄目監督が1番打者だった国栃がベスト4、小針監督が下級生ながらレギュラーの二塁手だった作新はベスト8に入った。選手から指導者と立場を変えても刺激し合う関係は続き、試合後はグラウンドで意見をかわす姿もみられる。そんな特別な存在との再戦の機会は、昨年10月1日、秋季県大会決勝だった。

     先輩たちの長年の無念の思いを晴らす雪辱の舞台かと思いきや、選手たちは作新を過剰に意識しなかったという。昨夏の栃木大会決勝で先発出場した青木寿修(ひさなが)選手(2年)は「同じ高校生。怖くはない」と平常心だった。

     ただ、試合は五回表を終えて1-3。過去の作新戦も序盤に失点して先行され、ズルズルと引き離されるケースが目立っただけに、苦しい展開に映った。

     それでも、チームは平常心を保ち続けていた。あらゆる状況を「想定内」と位置づけるメンタル強化を図ってきた成果だという。試合中は、新チームの合言葉「それな!」がベンチを飛び交った。すべてを肯定的にとらえる「それな!」は、若者の間で流行している言葉だという。国栃にとっては、ミスや劣勢でも「そういうこともあるよな」と自らに言い聞かせるように言葉を発することで冷静になれるキーワードと言える。柄目監督は「起こりうる展開を予想していれば動じることはない。『想定内』という意味で、『それな!』という言葉が出てくる」と受け止めた。

     五回裏、「不思議と焦りはなかった」という副主将の大栗拓也選手(2年)、青木選手らの3連続適時打で一気に逆転。八回に一度は同点とされたが直後に4番・島田侑希選手(2年)の左犠飛で勝ち越し。最後は5-4で振り切り、「作新の壁」を乗り越えた。

     柄目監督も、作新を意識しすぎなかった。本来は相手チームの作戦を読み、裏をかくことに定評のある監督だが、「自分のベンチだけを見て選手の力を引き出すことだけを考えていた。いつもは夏の悔しさを引きずっていたけど、そんな余裕はなかった。気づいたら、いつのまにか勝っていた」。選手も監督も自らの戦いに集中し、好結果をたぐり寄せた。

         ◇

     ライバルを倒した自信を胸に、国栃は18年ぶりとなる関東大会へ駒を進めた。「第二の監督」としてチームを引っ張る捕手・大久保謙亮主将(2年)がリードする投手陣が、さらなる躍進の原動力になった。

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