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英明再び

チームの軌跡/下 初勝利へ基礎から鍛錬 大舞台に向け、心も体も「常に成長」 /香川

センバツ出場決定後、練習に励む英明の選手たち=高松市国分寺町新名の同校グラウンドで、潟見雄大撮影

 <第90回選抜高校野球>

     「練習中だけでなく、学校生活でも気を引き締めていくように」。英明のセンバツ出場決定から一夜明けた1月27日、香川智彦監督は高松市内のグラウンドに集まった選手たちにそう指示した。多数の報道陣が見守る中、ナインは引き締まった表情で練習をこなしていく。センバツ開幕まで50日余り。「その期間は調整ではない。常に成長した状態で臨みたい」。指揮官の声は熱を帯びる。

     昨年11月、2012年のセンバツで4強入りしている強豪校・健大高崎(群馬)との招待試合が高松市内であった。健大高崎は高い走力を武器とした「機動破壊」と呼ばれるスタイルで春3回、夏3回の甲子園出場を誇る。今回のセンバツでは補欠校となったが、秋の香川県大会で優勝した英明にとって実力を図るもってこいの相手だった。

     しかし、四国大会直後の調整不足もあり、英明は2-7で敗れた。千原凌平主将(2年)は「相手の走力を気にしすぎた」と振り返り、守備で慌ててしまったことを反省点に挙げた。

     昨秋、堅い守りを見せた英明だが、四国大会決勝や招待試合では緊迫した場面でのミスが目立った。そのため冬場はランニングや筋力トレーニングでの基礎体力の向上に加え、ノックなどの基礎練習を繰り返した。

     1年生エースの黒河竜司投手は、ほぼ毎日ブルペンに入り、投げ込みを続ける。「県大会では通用した変化球も、高いレベルでは通用しないと感じた。変化球の球速を上げて、全国でも通用する投球を身につけたい」と目標を掲げる。

     打撃面でも体づくりが課題だ。英明の平均体重は、四国大会決勝で敗れた明徳義塾(高知)よりも約3キロ軽い。選手たちはパワー不足を補うため、ピッチングマシンで打ち込み、スイングスピードの向上を意識する。千原主将は「秋は上位打線が打てなかった。冬にしっかりと振り込み、チーム全体で打撃のレベルを上げたい。センバツでは打ち勝つチームに成長し、黒河を楽に投げさせてやりたい」と意気込む。

     食べることも練習の一つ。休日練習の合間、昼食では1人2合の白米がノルマだ。香川監督は「食事を管理できるのは休日の昼だけ。休日にたくさん食べるきっかけをつくり、あとは個々の選手の意識でやってほしい」と言う。その期待に応えているのが黒河投手。平日でも1日6合を食べ、練習中にはプロテインも飲んでいる。ボールに力が伝わる感覚が出てきたといい、成果は出始めている。

     英明の全選手23人のうち9人は県外出身で寮生活をしている。昨年末には全体で恒例のアルバイトをこなした。練習とアルバイトを交代し、1人計5日ほど飲食店で働いた。遠征費を稼ぐのが目的の一つで、香川監督は「実家から通う選手も含め、親の負担にならないよう遠征費を稼いでほしい。社会勉強にもなる」と狙いを語る。

     選手たちは2月から球場練習を増やし、いよいよ実戦練習に取り組んでいく。練習試合の解禁は3月8日だ。その直後から福岡遠征、そして香川に戻っての練習試合を予定している。センバツ初勝利へ向け、英明ナインの挑戦は今、その真っただ中にある。【潟見雄大】

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