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18センバツ国栃/中 春への軌跡 適材適所の「分業制」 3投手、監督が見極め /栃木

<右>落ち着いたマウンドさばきで試合の流れを築く先発の水沢龍太朗投手<中>スライダーなど制球力が抜群で中継ぎを務める渡辺匠投手<左>強気な投球で試合を締める抑えの宮海土投手=栃木市平井町の国学院栃木高で

 <第90回記念選抜高校野球>

     昨年10月23日、秋晴れのサーティーフォー保土ケ谷球場(横浜市)で、国学院栃木は市川越(埼玉2位)との関東大会1回戦に臨んだ。先発した右腕の水沢龍太朗投手(2年)が「目標だった投手陣での勝利を達成した」と振り返ったこの試合は、チームの強みを伝えていた。

     水沢投手は球質の重い直球に変化球を織り交ぜ、4回を無失点と好投。五回からは制球力がチーム随一の技巧派左腕・渡辺匠投手(2年)、七回からは強気な内角攻めが光る本格派左腕、宮海土(かいと)投手(2年)へと「勝利へのバトン」が渡り、2-1で投手戦を制した。

     3日後の慶応(神奈川2位)との準々決勝も3投手のリレーで粘ったが、2-3で惜敗。それでも、関東大会で見せた国栃投手陣の「三本の矢」は、センバツ出場校を決める選考委員に強い印象を残し、18年ぶりの「春」をたぐり寄せた。

     「最初は誰か一人でもモノになってくれればと思ったが、今では3人ともエースと呼べる存在になった」と振り返ったのは、柄目(つかのめ)直人監督だ。昨秋の公式戦はチーム防御率がわずか1・50と抜群の数字を残した。全7試合で完投はなく、県大会初戦を除いて3投手でつないだ。先発は水沢、中継ぎが渡辺、抑えは宮と役割を明確化したことで、好結果を出した。

     こうした「分業制」が確立された裏には、個々の性格や投球スタイルを分析した柄目監督による適材適所の選手起用があった。「真面目で試合に向けた準備をしっかりとできる」水沢投手を先発、「器用でどんな状況でも任せられる」渡辺投手は中継ぎ、「一本気な性格で度胸がいい」宮投手は抑えに向いていると判断したという。

     捕手の大久保謙亮主将(2年)は「3人は投球のタイプも性格も違うけど、気分よく投げてもらえるようにするのが自分の仕事」と話す。ブルペン(投球練習場)で3投手の球を受ける控え捕手の笹川晴輝選手(2年)が、試合当日の個々の調子を詳しく大久保主将に伝えるなど、捕手同士の連携も3投手の持ち味を引き出す影の力となっている。

     センバツに向け、水沢投手は「最少失点で抑え、後ろの2人を少しでも楽にしてあげたい」と話し、渡辺投手は「試合の流れを引き寄せる投球をしたい」と語った。宮投手は「無失点で試合を締め、次の試合につながる投球を目指す」と意気込み、それぞれが自分の役割を自覚している。

     とはいえ、昨秋の公式戦では、3人とも防御率1点台とレベルは高く、理想は「先発完投」と口をそろえる。「『三本の矢』は一本一本が弱くて折れてしまうという意味。このままでいいのか」とハッパをかける同校コーチの言葉も期待の裏返しだろう。

     「誰かが『大エース』と呼べる存在になれるかどうか」と柄目監督。背番号「1」をめぐる「三本の矢」の激しい競争の向こうに、センバツでの飛躍が待っている。【李舜】

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