メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

融合

明秀日立・初のセンバツへ 第1部 歓喜までの道/4 「遠くへ飛ばす」打撃へ 明快な理論と緻密な練習 /茨城

昨年12月から導入したバッティングティー台を使って打ち込む選手=高萩市石滝の明秀日立高高萩キャンパスで

 <第90回記念選抜高校野球大会>

     野球部員が暮らす高萩市内の寮に併設した室内練習場では、朝から金属バットの乾いた打球音が鳴り響いた。

     選手たちが使っていたのは、試合用より200グラムも重い1・1キロの金属バット。重いバットを振り込み、体幹や腕の筋力を徹底的に鍛え上げる。

     打撃練習はこれで終わらない。選手たちは試合用より約1・5倍も長い木製バットに持ち替え、さらに振り込む。長いうえに先端部分が重いバットを振ることで、手首に力が入るヘッドを立てた打撃を身につける狙いだ。

     金沢成奉監督(51)は「強力打線」づくりに定評がある。青森・光星学院(現・八戸学院光星)では、巨人の坂本勇人内野手(29)や、阪神の北條史也内野手(23)ら強打者をプロに送り込んだ。

     金沢監督の打撃理論は「ボールの軌道とバットの軌道を合わせ、振り切って遠くに飛ばす」と明快だ。だから「フライを打ってもあまり叱らない」(金沢監督)と、上からボールをたたくよう指導する従来の理論と一線を画している。

     だが、実現には地道な努力の継続が不可欠だ。

     打球を遠くへ飛ばす強い体を作るため、選手たちは寮の夕食で1キロの白米を食べきる。選手たちはお茶漬けにしてかき込んだり、おかずやふりかけなどに工夫を凝らし平らげる。また毎週、ウエートトレーニング専門のトレーナー、日下行さん(46)を岩手県から招き、打撃の軸となる下半身の強化を中心に指導を仰いでいる。

     さらに昨年から新たな練習法を導入した。「バックスピンティー」と呼ばれるボールを上からつり下げるバッティングティー台だ。

     上からボールを置く従来のティー台と比べて、ボールの下側をたたくことができるため、ボールにバックスピンをかけ、遠くに飛ばす感覚を覚えるのに適しているという。金沢監督は「ホームランバッターはボールの真ん中よりも3ミリくらい下を振っている」と導入の狙いを説明する。

     4番に座る芳賀大成二塁手(2年)は「高校の練習が一番きつい。打球の飛距離やキレが伸びたのは間違いない」と手応えを口にする。

     そして実戦2~3週間前には、スイングスピードを速めるため、今度は軽いバットに切り替える。明快な打撃理論は、緻密な練習法で具現化していく。

     金沢監督は「ようやく『打ち勝つ野球』と思ってもらえるチームになった。打って打って打ちまくる野球を全国に見せたい」と意気込む。【川崎健】=つづく

    関連記事

    あわせて読みたい

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    関連サイト