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未来への提言

センバツ90/5止 豊富な才能生かして スポーツ庁長官・鈴木大地さん

=長谷川直亮撮影

 <第90回記念選抜高校野球>

    スポーツ庁長官・鈴木大地さん(51)

     高校野球は日本の風物詩として根付いている。楽しみにしている人も多いし、特別な感じがある。今年で春のセンバツは90回、夏の全国選手権は100回を迎え、歴史と伝統は大変素晴らしい。しかし、野球人口も減り、時代とともにスポーツとの関わり方も変わってきている。けが予防や他競技への転向など、生涯にわたってスポーツを楽しめるようにしてほしい。

     高校野球で肘や肩を痛め、夢を断念せざるを得なくなるケースがあると聞く。これまでも過酷な投手の連投を見て、可哀そうだと思ってきた。練習も無制限にやればいいものではない。けがの予防の観点からも、スポーツ庁で今春策定する予定の部活動ガイドラインでは、効率的な練習で成果を上げていくことも示していきたい。選手たちが卒業した後も活躍できることが理想で、高校で燃え尽きてしまってはもったいない。野球が好きであれば社会人になっても週1回、草野球でもいいから続けてほしい。

     スポーツは楽しいからやるもの。試合でプレーして力を試せるからこそ、やりがいにもつながる。甲子園大会は春休みや夏休みを利用して集中的に行われているが、例えば、週末に地域でリーグ戦をやるなど1週間に1回程度試合を続けながら、半年や1年ぐらいの長い期間で高校野球の頂点を決める大会があってもいいのではないか。また、国民体育大会で行われる硬式野球は特別競技として夏の甲子園の出場校が参加しているが、その高校を中心に県内の他の高校の選手も参加できるようにしたら面白い。夏の地方大会で早くに負けてしまったプロ注目選手が見られるかもしれない。

     野球界には打つ、投げる、走るという運動能力の高い人材が豊富にいるにもかかわらず、高校で試合に出られない選手も多くいるのは残念なことだと思う。野球から他の競技に転向して世界を目指してみたいという球児がいれば、ぜひ応援したい。スポーツ庁では才能のある選手を全国から発掘して育成する「ジャパン・ライジング・スター・プロジェクト」を始めており、他の競技とのマッチングに力を入れていく。将来の可能性が広がる道を示すことで、野球界の発展にもつなげたい。【聞き手・浅妻博之】=おわり


     ■人物略歴

    すずき・だいち

     1988年ソウル五輪で競泳男子100メートル背泳ぎ金メダリスト。2007年に順大で医学博士号を取得し、13年に順大教授、日本水泳連盟会長に就任。15年10月にスポーツ庁が発足し、初代長官に就いた。

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