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センバツ90/中 地元ぐるみ、刺激に

地域の子供に野球を教える乙訓の選手たち=京都府長岡京市の同校グラウンドで、礒野健一撮影

 <第90回記念選抜高校野球>

     21世紀枠で伊万里が選ばれて以来、地元の佐賀県伊万里市は「甲子園出場が街を活性化させる」と、開幕を心待ちにしている。「切磋琢磨(せっさたくま)の土台をつくるのが大人の役目です」。同市“甲子園プロジェクト係”で伊万里OB、西尾義久さん(44)が説明する。

     隣の有田町も含めた「伊西(いせい)地区」は他に四つの高校があり、甲子園は伊万里商が2006年春、伊万里農林が09年、有田工が13年に夏の出場を果たした。原動力は地域の野球熱だ。

     球場名を記す伊万里焼の陶板が掲げられた同市の国見台野球場。ケージやスピードガンは地元企業が寄付し、毎春の市長旗争奪大会では、地元5校が「次は自分たちが甲子園に」と張り合ってきた。

     市は13年、全国でも珍しい“甲子園”と銘打つ現セクションを設け、西尾さんは野球教室開催などに奔走する。伊万里の犬塚晃海(てるみ)主将(2年)も「中学時代目の当たりにした上級者の考えやプレーは刺激になった」と振り返る。

     西尾さんの父吉春さんは、監督を務めた伊万里商がセンバツに出る直前に亡くなった。競い合い、助け合う大切さを教え子に説き続けてきた。西尾さんは「地元で競い合った自信を持ってプレーを」と選手らを見つめる。

     乙訓(おとくに)も地域と二人三脚だ。京都府内唯一の「スポーツ健康科学科」が10年に設置され、天然芝グラウンドなど恵まれた施設を家族連れのスポーツの場として定期的に開放している。

     毎年2月は生徒らが体験教室を開き、野球やテニスなどを地元・長岡京市周辺の初心者の児童に教える。「スポーツの拠点となる公立校があることで、選手や指導者を目指す意識が地域の子に芽生えつつある」。同市体育協会の三古剛事務局長は言う。ナインには経済的理由で私立をあきらめて入った選手もおり、昨秋の近畿大会は公立で唯一4強入りした。

     「お兄ちゃんたちを応援する」。今年も2月4日にあった体験教室。野球を教えてもらった長岡京市立長岡第五小2年、村北和暉さん(8)は選手らにエールを送った。五十棲(いそずみ)結友(ゆう)選手(2年)は小学生のころ初めてボールを投げた日を思い出し「地域とのつながりを感じた」と話す。「甲子園のプレーで期待に応えたい」。中川健太郎主将(同)は開幕前に改めて誓った。

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