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第100回全国高校野球

大阪桐蔭V 「春夏」2度目 「一球同心」結実 金足農、東北に勇気

【金足農-大阪桐蔭】優勝し、マウンドで喜び合う大阪桐蔭の選手たち=阪神甲子園球場で2018年8月21日、平川義之撮影

 第100回全国高校野球選手権記念大会(日本高校野球連盟、朝日新聞社主催、毎日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)は最終日の21日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で決勝があり、今春センバツ優勝の大阪桐蔭(北大阪)が13-2で金足農(秋田)に大勝し、4年ぶり5回目の優勝を飾るとともに2012年以来となる史上初の2度目の春夏連覇を達成した。春夏通算8回目の優勝で、PL学園(大阪)、広島商、松山商(愛媛)を抜き、中京大中京(愛知)の11回に次いで歴代単独2位となった。秋田勢として第1回大会(1915年)以来103年ぶりに決勝に進出した金足農は東北勢初優勝を逃した。今大会の総入場者数は101万5000人で、過去最多だった第72回(1990年)の92万9000人を上回って史上最多だった。【佐藤裕太】

    「一球同心」結実

     強烈な打球が右中間の芝に弾む。1点リードの一回2死二、三塁、金足農・吉田輝星(こうせい)(3年)の直球を大阪桐蔭の6番・石川瑞貴(同)が右中間2点二塁打とした一打に「最強世代」の一端が表れていた。

     今年の大阪桐蔭の3年生は、1年生の秋から主力だった根尾昂(あきら)、藤原恭大(きょうた)、中川卓也らがいて「最強世代」と呼ばれる。春2回を含め甲子園優勝3回は戦後最多だ。ただ、主力だけの功績ではない。この日はデータ班の小谷優宇(ゆう)記録員(同)の「吉田の決め球は外角球」との分析を生かし、狙い打ちした。

     前回大会3回戦で仙台育英に九回2死から逆転サヨナラ負け。「一球の怖さ」を知り、主将の中川を中心に日々の練習から緩むことがないよう、選手同士で指摘し合ってきた。1998年就任の有友茂史部長(53)が「心配になるぐらいストイック」と驚くほどだ。

     隙(すき)のなさはプレーに限らない。準々決勝や準決勝では、打球が当たった相手選手に三塁コーチの俵藤夏冴(なさ)(3年)が素早く駆け寄り、応急処置をした。対戦相手を思いやる姿に観客席から拍手が起きた。俵藤は「日ごろから意識している。ランナーコーチは周りをよく見ないといけない」と明かす。

     西谷浩一監督(48)は「メンバーであろうとなかろうと関係なく、チームのために行動する。こういうチームで優勝し、伝統を作りたかった」と喜ぶ。大阪桐蔭の部訓「一球同心」。その元に最強世代が結束した先に、史上初の偉業があった。【安田光高】

    金足農、東北に勇気

    大阪桐蔭に敗れ、チームメートに肩を抱かれる金足農の吉田(中央)=阪神甲子園球場で2018年8月21日、津村豊和撮影

     応援歌に乗った甲子園全体の手拍子もむなしく、金足農の九回の攻撃は3者凡退。5回12失点で降板したエース・吉田は「応援してくれた人に優勝を届けられなかった」と悔し涙を流した。

     東北は全国10地区で春夏を通じて唯一優勝がないが、今世紀に入って決勝進出が8回あり、2000年までの4回から倍増した。レベルアップの一因は「野球留学」。激戦区の関西出身者が甲子園に出るために東北の強豪私立校に集まり、強化された。一方、東北出身者主体のチームは打倒・強豪私立校を目指し、力をつけた。公立校が大半の秋田県は10年まで夏の甲子園で13年連続初戦敗退し、11年に強化プロジェクトを開始。県が強化費をつけて全国制覇した指導者らをアドバイザーに招き、夏の甲子園では理学療法士を帯同させて選手のケアを担った。

     県立校の金足農もベンチ入り18人全員が秋田出身、出場者は大会を通じて9人だけ。だが、準々決勝で2ランスクイズで逆転サヨナラ勝ちするなど、バント戦法を磨き、全盛のパワー野球に対抗した。その姿は、同じ東北勢や公立校勢に大きな勇気を与えたはずだ。

     「秋田、東北のチームと一緒に、この経験を糧に優勝を目指したい」と中泉一豊監督(45)。優勝旗の「白河越え」への希望がまた、膨らんだ。【新井隆一】

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