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候補校紹介/3 石岡一(関東・東京、茨城) 地域の差し入れが力

地元の期待を背に練習に励む石岡一の選手たち=高橋秀明撮影

 <第91回選抜高校野球大会>

     日暮れとともに練習メニューが一通り終わると、選手たちはベンチに座って、女子マネジャーが4升の米を炊いて用意した1人当たり1合の丼飯をかき込み始めた。卵かけご飯やカレーライスの時もある。パワーの源になる体作りに欠かせない補食だ。

     米や具材は主に茨城県石岡市の近隣農家からの差し入れだ。酒井淳志主将(2年)は「みんな差し入れしたり、練習を見に来たりしてくれる。何とか恩返しがしたい」と話す。

     部員はマネジャー3人を含めて49人全員が電車で通える範囲に居住する。最速147キロの逸材で昨秋の県大会でチームを4強に導いたエースの岩本大地(2年)は「地元の石岡一に行って、自分の力で甲子園に連れて行きたかった」と入学動機を説明する。地元育ちの選手を見守る地域の人々にとっても、甲子園出場は悲願だ。

     1910年創立の農学校が母体。現在も普通科のほか、草花、野菜、果樹を栽培する園芸科や、庭園作りなどを学ぶ造園科がある。川井政平監督(44)は「野球部は約6割が普通科で、約4割が実習の多い園芸科と造園科の生徒。練習や試合に全員そろわないことが多い」と語る。岩本も造園技能検定3級を持つ造園科の生徒だ。

     練習時間が限られる分、川井監督が重視するのが、選手の長所を伸ばす指導と、個々の目的意識の可視化だ。例えば素振りやティーバッティングなら、単に数をこなすだけでなく、身につけたいのはスイングの型なのか、ミート力なのか、パワーなのか、一人一人がその日の目的を明確にして、ノートに書くようにしている。

     恵まれない環境で練習に励む選手を勇気づけたのが、昨夏の甲子園で準優勝した秋田・金足農だ。岩本は「同じ農業系で強い私立を次々に倒したので、すごいなと思った。吉田輝星投手の動画を見て下半身の使い方を参考にしている」と言う。東北の雄に自らの姿を重ね合わせつつ、着実に歩みを進めている。【高橋秀明】=つづく

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