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第94回センバツ高校野球

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息詰まる投手戦 終止符打った明豊の背番号15

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【龍谷大平安-明豊】十一回裏明豊2死満塁、後藤がサヨナラ打を放ち拳を突き上げる=阪神甲子園球場で2019年3月31日、久保玲撮影 拡大
【龍谷大平安-明豊】十一回裏明豊2死満塁、後藤がサヨナラ打を放ち拳を突き上げる=阪神甲子園球場で2019年3月31日、久保玲撮影

 タイブレーク突入が近づいていた延長十一回、息詰まる投手戦に終止符を打ったのは、守備固めで途中出場していた明豊の背番号15・後藤だった。

 0―0で迎えた延長十一回2死満塁の場面。その回の表に三塁コーチャーから一塁手の守備固めに回った後藤に打席が巡ってきた。2ボール、2ストライクからの6球目。龍谷大平安の左腕・野沢の内角直球をコンパクトなスイングではじき返すと、打球は中堅手の頭上を越え、天然芝に跳ねた。「チェンジアップには手を出さず、直球を打とうと思っていた」。三塁コーチャーとして、野沢をつぶさに観察していたことが土壇場で生きた。

 守備固めで出場することが多く、1回戦でようやく巡ってきた打席は死球。普段の生活でも寮長を務めるなど、裏方の役回りを引き受けてきた。「メンバーに入っていないやつの分も、決めないといけない」。華やかな舞台に立てない部員たちの思いを背負い、力に変えた。試合後は両目を赤くし、主将の表も「ありがとうしかない」と感極まった。

 チームの甲子園最高成績は夏の8強だったが、壁を破った。「能力が高い相手に、束になって向かって行く」という川崎監督のチーム方針を体現した後藤の一打で、明豊の勢いが加速してきた。【高橋秀明】

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