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第103回全国高校野球選手権

第103回全国高校野球選手権大会(2021年)の特集サイトです。

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#最後の1年

4連覇の夢は後輩に 軟式野球の名門・中京高、迷いながらつなぐバトン

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グラウンドでの練習が認められ、打撃練習に励む中京高軟式野球部員たち=平中亮太監督提供
グラウンドでの練習が認められ、打撃練習に励む中京高軟式野球部員たち=平中亮太監督提供

 約2カ月ぶりにグラウンドに球音が響いた。5月26日、岐阜県瑞浪市の中京高軟式野球部専用球場。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言解除に伴い、午前の授業が再開され、午後から短時間の個人練習が許された。ユニホーム姿での本格的な練習はまだ先で、ジャージー姿でバットを振った。冬場の猛練習を乗り越え、打球は鋭さを増していた。それだけに主将の3年、岡田惟吹(いぶき、17歳)は悔しい。「ずっと目標にしてきたものが突然なくなった」。6日前、史上初の全国4連覇は後輩に託すことになった。

 日本高校野球連盟は5月20日、兵庫県明石市の明石トーカロ球場を主会場に8月末に開催予定だった全国高校軟式野球選手権大会の中止を決めた。世間の関心は同時に発表された夏の甲子園の中止に向いたが、傾けてきた情熱に「硬式」も「軟式」も差はない。昨夏の甲子園で4強入りした同校の硬式野球部をもしのぐとされる冬場の猛練習を積んできた。地面に倒したタイヤを雑巾がけの姿勢で押し込む名物練習の「タイヤ押し」。使うタイヤは、例年のトラック用からダンプカー用、さらにクレーン車用へと負荷を上げ、足腰を鍛え上げた。

 1956年創設の選手権大会で中京高は歴代最多10回の優勝を重ねる名門だ。一時、頂点から遠のいたが、2007年に就任した平中亮太監督(39)が再建に努め、11年に自身が主…

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