◆毎日新聞論説委員・青野由利
ああ残念。鎌倉にある鶴岡八幡宮の大銀杏が倒れたと聞いて、がっかりしました。
この大銀杏は、幹の回りが6.8メートル、高さが約30メートル。年齢は1000年とも言われ、鎌倉時代に、三代将軍源実朝を暗殺した人が、この銀杏の陰に隠れていたという言い伝えも残されています。せっかく由緒ある巨木なのに、雪の後に吹いた大風に耐えられなかったようです。
それにしても、木はどれぐらい長生きなのでしょうか。
寿命が長いことで知られているのは、屋久島にある屋久杉で、古いものでは数千年になるようです。銀杏やケヤキ、クスノキも長生きで、私も、大クスや大銀杏を探して見に行ったことがあります。
それでは、木の年齢はどうやって調べるのでしょうか。
よく知られているのは、年輪を調べる方法です。日本のように季節によって気候が異なるところでは、成長の仕方の違いが年輪に表れます。ちょうど1年ごとに線が入っているように見えるので、これを数えると木の年齢がわかります。
でも、生えている木の年輪は、そのままでは見られません。切り倒さずに年輪を調べるために、中に穴の開いた細い管を木の幹に差し込んで、引き抜く方法があります。ただ、この方法は木の幹が太いと使えませんし、木も傷つきます。レントゲンのような装置で測ることも考えられますが、簡単ではないようです。
木の年齢そのものとは別に、遺跡などから出てきた古い木が、いつ、切られたのかを調べる方法もあります。昔の気候を調べるのにも、年輪は役立ちます。
鶴岡八幡宮の大銀杏も、これからよく調べてみると、昔のことがいろいろわかるかもしれませんね。
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科学記者歴は20年とちょっと。好きな分野は、生命科学と天文学。大学では薬学と心理学を学んだが、小学生のころ、将来の夢は天文学者だった。東京生まれの東京育ち。