口を丸く開け、両腕を開いて「びっくりした」--。人間のように驚いたり、喜んだりする2足歩行ロボット「KOBIAN」(コビアン)を早稲田大学の高西淳夫教授が開発している。口と手だけでなく、まゆ毛やまぶた、顔の角度なども変えて表情を作る。ユーモラスな表情が話題を呼んでいる。
コビアンができるのは「驚き」「喜び」「悲しみ」「嫌悪 」「恐れ」「怒り」の六つの表情。驚いた時は、口を丸く開けて身をそらせ、喜んだ時には、口が逆三角形でガッツポーズなど、身体全体で感情を表現する。
高西教授が目指しているのは「ヘビを見たら逃げる」など、外界の刺激に反応して自分で表情や行動を変える2足歩行のロボット。将来、人間と共同生活をするようになった時にコミュニケーションしやすい方がいいと考えるからだ。
すでに上半身だけのロボットでは、カメラの目とマイクの耳を持ち、「肺」に空気を吸い込むことで、たばこやアルコールのにおいを感知する「Eye(アイ)ちゃん」を開発。アイちゃんは「赤色を見たら喜ぶ」「たたくとすぐに怒る」など、複数の刺激に反応して表情を変えることができる。ソフトウエアの設定で性格付けをすれば、使う人間の好みに応じたロボットが出来上がるという。
コビアンは、アイちゃんと、2足歩行の「WABIAN」を組み合わせたロボットで、現在、アイちゃんのプログラムを移植している。アイちゃんのすべての機能を移植すると、重すぎて2足歩行が難しいため、移植は一部の機能のみになる予定。
高西教授は「2足歩行ロボットは人間の動きを模したもので、リハビリテーションの研究に役立つ。アイちゃんは心の動きをシミュレートするので、心理学の研究に寄与できる」と期待する。【岡礼子】
2009年7月17日 2009年7月17日