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狭小敷地に家を建てるには。

 ◆狭小敷地に家を建てるには。

 ◇設計で空間を創出 持ち物減らす努力も重要

 都会で戸建てを新築したくても、手が届くのは狭小な敷地になりがちだ。空間設計という建築家の仕事と、物を減らすという住まい手の準備が合わされば、狭い家でも想像以上にゆったりと暮らせる。東京で人気の街・吉祥寺にできた狭小敷地の家を取材した。

 JR吉祥寺駅から徒歩10分余り。幅員約4メートルの道路を挟んだJRの高架沿いのアパートの跡地に木造2階建て住宅が完成し、建て主の会社員、木村裕一さん(32)一家4人が9月に引っ越してきた。

 台形の変形角地で、敷地面積63平方メートル。建ぺい率50%、容積率80%で、延べ床面積は50平方メートル。近くのアパートに住んでいた木村さんが、吉祥寺に住み続けたいと探し、08年2月に土地を購入。雑誌とインターネットで建築家を探し、土間のある設計が得意な荒木毅さん(52)に08年4月に依頼した。

 設計上の工夫は▽玄関を造らず、1階の出入り口一帯を土間にし、土間に水回りを集中▽戸はすべて引き戸▽2階全面に深さ60センチの床下収納を造る--など。引き戸は木製の特注品、流しと一体のテーブルも手作りだ。

 出入り口がサッシで、戸外で靴を脱ぐのに違和感があるが、意外に広々として居心地がいい。家具がほとんどないためだ。木村さんは転居前、2トントラック1台分とゴミ袋30袋以上の物を捨て、持ち物を半分にした。あるのは冷蔵庫、レンジ、洗濯乾燥機、テレビ、ソファ、パソコン、プリンター、掃除機、電話機、食器棚程度。本やDVD、夏物の衣類は床下にしまい、むき出しにした構造体の格子部分を日用品の棚として使う。

 窓を閉めれば電車の音も気にならない。土間の約半分は吹き抜けで、「天井が高くて気持ちいい」と妻、裕子さん(35)も満足そう。工事費は約1970万円、建築家の設計料は約300万円(各税込み)。設計料の相場は工事費の10~20%といい、想像通りだった。

 設計した荒木さんは「敷地が狭小や変形になるほど、設計が住みやすさに直結する」と話す。

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 狭小住宅用の建材に既製品はないのか。玄関用の引き戸にはおしゃれなデザインの商品がかなり出てきた。断熱性能もドアに劣らない。昨年9月のリーマン・ショック以降新築着工件数が減少する中、住宅建材大手のトステム(本社・東京都江東区)では今年、玄関用の引き戸「エルムーブ」の売り上げが伸びているという。

 よく使われるのは、玄関前に駐車スペースを設ける場合。ドア開閉時に生まれる扇形のデッドスペースがなくなり、ドアを車にぶつけずに済む。戸の可動域を家に外付けするタイプもあり、室内の空間設計に響かない。価格は同社で40万~50万円から。従来のドア(約30万円~)より高めだ(各税別)。【中村美奈子】

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 ■+α

 ◇建築家を探すには

 荒木さんが理事のNPO法人「家づくりの会」(事務局・東京都渋谷区、電話03・5360・8061)は月~土の午後2~5時、建築家が住まいの無料相談にのる。予約が望ましい。毎月第2土曜日は建築家と建て主に話が聞ける勉強会「家づくりカフェ」も開いている。

 トステムショールーム東京(東京都江東区)の相談コーナー、BDACでは、建築家2~3人と1日で面談する。紹介料無料。同社製品を使う縛りはない。電話(03・3638・8521)予約制。

毎日新聞 2009年11月16日 東京朝刊

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