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表札がなくても届く郵便物

「13」の家番号を持つ家
「13」の家番号を持つ家

 日本の家にあがっている表札。家族全員の名前が連ねられている表札もよく見かけますが、見方によっては、家族の名前や家族構成といった個人情報を自ら赤の他人の目にさらしているわけで、ちょっと無防備だとは思いませんか。けれども、表札がないと郵便屋さんや宅配業者が立ち往生してしまいそうですよね。

 実は、イギリスの家には、表札がありません。ですから、外から眺めるだけではその家に誰が住んでいるの分かりません。では、郵便物や宅配便はどのようにして届けられるのかというと、イギリスの家々には、番号が振られているのです。日本でも、同じ住所の集合住宅には一軒一軒番号がつけられているようにです。

民家の壁面に貼り付けられている通りの名前のサイン
民家の壁面に貼り付けられている通りの名前のサイン

 郵便物や宅配便のあて先は、このように書かれています。

Mr. Gordon Brown (氏名)

10 Downing Street (家の番号と通りの名前)

London (地区、都市名、州名など)

SW1A 2AA (郵便番号)

「Eastgate」の名前を持つ民家。隣の民家は、「33」の家番号
「Eastgate」の名前を持つ民家。隣の民家は、「33」の家番号

 郵便屋さんや宅配業者は、あて名の「10 Downing Street」の部分を見て、「Downing Street」の「10」番の家に郵便物や宅配便を届けます。イギリスの住宅地の通りには必ず名前がつけられていて、その名前は家々の壁面や塀の目立つ所に張り付けられているので、郵便屋さんや宅配業者ではなくても、家の番号と通りの名前が分かっていれば、誰にでも簡単に初めて訪れる家を探し出すことができます。ちなみに上記の住所はイギリスの首相官邸です。

 一般的に、家の番号は、街の中心から外れに向かって、あるいは、重要な道路に近い方から順に左手側が奇数、右手側が偶数という要領で打たれています。ただし、道がくねって袋小路になっている住宅地の家々は隣同士で続き番号になっています。西洋では、「13」は不吉な数字とされていますが、家の番号に関しては、「13」番が避けられて欠番になっているということはありません。

 また、家によっては、番号ではなくて名前の付けられている家もあります。由緒ありそうな大邸宅の場合が多いですが、一般の民家でも固有の名前を持っている家があります。例えば、通りの家並みの一番端にある義兄の家は、以前は村の東の外れに位置していたらしく「Eastgate」という名前が付いています。

家の番号のあがる民家の門柱
家の番号のあがる民家の門柱

 このように、イギリスでは、初めて訪れる家を容易に探し出すことができ、個人情報を人目にさらさないで郵便物や宅配便を受け取ることができます。なかなかよい仕組みだと思っているのですが、ちょっと困った点もないわけではありません。

 引っ越しをした場合、転居先を郵便局に届けておけば、一定期間内は新居に郵便物を配達してくれる有料サービスがあるものの、前の家の住人がその手続きをしていなかったり、規定の期間を過ぎてしまった後は、以前の家の住人あての郵便物がどんどん届けられてしまうのです。何しろ、イギリスの郵便物、あて名の氏名ではなくて、通りの名前と家の番号を頼りに配達されてくるのですから。

 というわが家にも、引っ越してきてからもう10年になるというのに、まだ以前の住人あての郵便物が舞い込んでくることがあるんですよねえ。

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◇ギブソンみやこさんのプロフィル

京都府与謝郡与謝野町出身。京都教育大学教育学部卒業。30歳の時、実家の町と友好のあったイギリスの南西部ウェールズの町アベリストゥイスを親善訪問し、ウェールズ大学アベリストゥイス校の語学研修コースを受講。当時、ウェールズ大学の学生だった現在の夫と知り合い、1992年に結婚。同年よりイギリス中央部にあるニューカッスルに在住。1992年より2005年までニューカッスル近郊のワシントンにある北東イングランド日本人補習授業校講師。その後、「地球の歩き方」海外特派員ブログ、その他のウェブサイト、雑誌等でイギリスの暮らしぶりを紹介している。

ギブソンさんのブログはこちら http://fromuk.blog101.fc2.com/

2009年11月17日

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