羽深成樹 フォロー 前内閣府審議官 1958年千葉県生まれ。81年東大法学部卒、大蔵省(現財務省)に入省。大蔵省主計局主査、防衛省大臣官房審議官、首相秘書官、財務省主計局次長、内閣府政策統括官などを経て、内閣府審議官。2017年7月退任。著書に「論語と『やせ我慢』」(PHP研究所)。 (経歴は原則、執筆当時のものです) 「学問のすすめ」で孔子を痛烈批判した福沢諭吉の思惑 儒教は、江戸時代に全国に広まり、論語は教科書として愛読されてきた。しかし、明治時代になると、これを批判する意見も現れた。そ… 「陸王」に出てくる敵役は君子と正反対の“小人” 作家、池井戸潤氏の原作によるテレビの企業ドラマが人気である。この秋も、TBS系列で放映されている「陸王」が好評を博している… 二千年の昔も今も変わらない「人の育て方の難しさ」 昔仕えた上司に、二つのタイプがあった。上司から課題を与えられ、回答をペーパーにまとめて提出した時の対応についてである。 一… 「分かりにくいのは邪説」儒学者・伊藤仁斎が突く本質 江戸時代は、中国の朱子という学者が打ち立てた朱子学が儒学の主流だった。朱子学は、普遍的原理としての「理」を重んじ、難解な理… 論語の教え「学問に身分は関係ない」は民主主義の土台 明治になって、西欧の民主主義が日本人にすんなりと受け入れられたのは、江戸時代の儒学教育が土台にあったからだという説がある。… 「こうすれば成功間違いなし!」論語の五つのことば 仕事をする上で役に立つ論語のことばが五つある。 一つ目は、「遠き慮り無ければ、必ず近き憂いあり」。遠くまで見通す配慮がなけ… 気を楽にもとう「理解者は天だけ」と孔子もぼやいた 福沢諭吉は、人間が抱くさまざまな感情の中で「怨望(えんぼう)」をもっとも憎んだ。「ねたみ」である。「学問のすゝめ」の中で、… 「法を絶対視しない発想」が新しいビジネスを生む 国の規制改革会議の事務局を担当していた時、思ったことがある。規制改革とコンプライアンスとの関係である。 コンプライアンスと… 「熱血漢やカタブツを敬遠するな」が孔子の教え 日常の振る舞いについて、孔子が指摘するのは、ひと言でいえば、「ことばより行動」ということである。会議などで、「こうすべきだ… 正論同士の対立で悩む時には「義に従う」ことを考える 国や地方自治体の事業は、「公益」の実現を目的としている。しかし、ひと口に公益といってもさまざまだ。環境保護も公益なら、経済… 俳優・勝新太郎と幕臣・小栗上野介の“私心ない生き方” 孔子の弟子の子路は、荒くれ者だが、孔子に可愛がられてもいた。「お前のように、素手で虎に向かい、舟なしで河を渡るような者とは… どんな状況でも首尾一貫 「一身一頭人間」の生き方 最近、官僚の「忖度(そんたく)」が話題になったが、上司にどう仕えるかは、サラリーマンなら一度は悩むところである。就職した時… 「仁者はまず他者を立たせる」論語の教えは心の“支柱” 私は36年余、公務員として国の行政に携わってきた。誰でも、仕事や職場の関係で、悩んだり迷ったりすることがある。そんな時、論…