社会・カルチャー戦国武将の危機管理

武田氏滅亡後の真田昌幸「変わり身」サバイバル

小和田哲男 / 静岡大学名誉教授

 これまで、真田昌幸が、敗走する武田勝頼を上野の岩櫃(いわびつ)城に招こうとしたということが美談として語り伝えられてきたが、最近は疑問視されている。武田氏の戦略・戦術を記した軍学書「甲陽軍鑑」と、それを敷衍(ふえん)した形の「加沢記(かざわき)」あたりが出典で、主家に忠実であろうとした昌幸というイメージ作りのため、後世、創作されたエピソードの公算が大である。

 では、実際のところはどうだったのだろうか。勝頼が天目山麓の田野(たの)で自刃した天正10(1582…

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小和田哲男

小和田哲男

静岡大学名誉教授

戦国大名・今川氏のお膝元で、徳川家康の隠居先でもあった静岡市で1944年に生まれる。72年、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。専門は日本中世史。戦国時代史研究の第一人者として知られ、歴史番組でおなじみの顔。趣味は「城めぐり」で、公益財団法人「日本城郭協会」の理事長も務める。主な著書に「戦国の群像」(2009年、学研新書)、「黒田官兵衛 智謀の戦国軍師」(13年、平凡社新書)。公式サイト https://office-owada.com