長井市では企業と工業高校が連携してさまざまなロボットを生み出している=吉田製作所提供
長井市では企業と工業高校が連携してさまざまなロボットを生み出している=吉田製作所提供

政治・経済良い物をより高く売る経営

企業城下町崩壊 ロボット開発で再興図る山形県長井市

中村智彦 / 神戸国際大学教授

 中小企業が「脱下請けを目指す」などと言っても、それはまだ余裕がある方かもしれない。「脱」も何も、頼っていた企業が消えてしまったら、経営者はどうするのだろうか。

東芝の企業城下町として繁栄した長井市

 山形県長井市は、新潟県に近い県南西部に位置する人口約2万8000人の街。山に囲まれた盆地の田園地帯だが、昭和初期に、当時でも珍しい企業誘致活動を行い、東京芝浦電気(現在の東芝)の誘致に成功した。

 第二次世界大戦後には、東芝から独立した東京電器が急成長を遂げた。東京電器は主にコンデンサーを製造し…

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中村智彦

中村智彦

神戸国際大学教授

1964年、東京都生まれ。88年、上智大学文学部卒業。96年、名古屋大学大学院国際開発研究科博士課程修了。外資系航空会社、シンクタンクで勤務。大阪府立産業開発研究所、日本福祉大学経済学部助教授を経て、現職。専門は中小企業論と地域経済論。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興のプロジェクトに数多く参画し、日テレ系「世界一受けたい授業」の工場見学担当も務める。