
IT訴訟では、「専門家のプロジェクト管理責任」という言葉をよく聞きます。「開発業者は、顧客の目的を果たすITシステムを作り上げるために、自らの専門性を発揮しなければならない」ことを意味しますが、この責任を果たせない業者がいます。
顧客の要望だけを実現するのがプロではない
例えば、以下のような例です。
「お客様のご要望通り、顧客情報の登録、参照、削除ができるデータベースを作りました」
「あれ、一度登録した顧客情報の修正機能はないの?」
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細川義洋
ITコンサルタント
1964年、神奈川県生まれ、立教大学経済学部経済学科卒。NECソフト(現NECソリューションイノベータ)、日本IBMでシステム開発やコンサルティングを行う。著書に「なぜ、システム開発は必ずモメるのか?」「IT専門調停委員が教える モメないプロジェクト管理77の鉄則」(日本実業出版社)などがある。