「偉大なるマルグリット」の1シーン
「偉大なるマルグリット」の1シーン

社会・カルチャー週末シネマ

音痴で金持ちでオペラ好き「偉大なるマルグリット」

勝田友巳 / 毎日新聞学芸部長

 主人公のマルグリットは、オペラ愛好家で歌うのが大好き。ただ残念なことに、まったくの音痴で、自分ではそれに気づいていない。盛大に音を外しているのに自信満々の歌いっぷり、大笑いである。

 でもこれは、哀れな勘違い女を笑うだけの映画ではない。マルグリットは才能のかけらもないけれど、音楽を愛することは誰にも負けず、情熱を傾ける。そんな彼女を追いかけるうちに笑えなくなり、「うまい」ってどういうこと?と考えさせられる。フランスのほろ苦い悲喜劇である。

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勝田友巳

勝田友巳

毎日新聞学芸部長

1965年、茨城県出身。北海道大文学部卒。90年毎日新聞に入社し、松本支局、長野支局などを経て、東京本社学芸部。映画を担当して15年、新作映画を追いかける一方、カンヌ、ベルリンなど国際映画祭や撮影現場を訪ね、映画人にも話を聞いて回る日々。毎日新聞紙面で「京都カツドウ屋60年 馬場正男と撮影所」「奇跡 軌跡 毎日映コン70年」の、2本の映画史ものを連載中。