羽田空港に到着してバスの中で運転手の求めに応じてサインするボブ・ディラン=1972年2月撮影
羽田空港に到着してバスの中で運転手の求めに応じてサインするボブ・ディラン=1972年2月撮影

社会・カルチャー切ない歌を探して

心を打つ名曲「風になりたい」のすがすがしさ

森村潘 / ジャーナリスト

 いい歌の多くは切ない。切なさは人の心を揺さぶる。だが、同様に人の心を打つ要素はほかにもある。切ない歌の周辺をさぐる前に、いい歌全体のエッセンスを少し考えておきたい。

切なさの対極にある「すがすがしさ」

 「すがすがしさ」もそのひとつではないか。切なさの対極にある魅力だ。

 1995年に発表されたTHE BOOMのヒット曲「風になりたい」。作詞作曲でボーカルの宮沢和史はサンバのリズムに乗せて「天国じゃなくても 楽園じゃなくても……あなたと風になりたい」と歌い上げた。その魅力はまさにすがすがしさだ。

 NHK連続テレビ小説「あさが来た」のテーマソングとしてヒットしているAKB48「365日の紙飛行機…

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森村潘

森村潘

ジャーナリスト

大手新聞、雑誌編集などを経てコミュニティー紙の編集などに携わる。ジャンルを超えて音楽を研究、アメリカ文化にも詳しい。