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パナマ文書で本格化「タックスヘイブンvs国家」の戦い

会川 晴之・毎日新聞北米総局特派員
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パナマ文書の流出を機に、各国がタックスヘイブン対策の強化に動き出した。米国ではオバマ大統領が関連制度の改正に意欲を示している
パナマ文書の流出を機に、各国がタックスヘイブン対策の強化に動き出した。米国ではオバマ大統領が関連制度の改正に意欲を示している

 世界の政治家や富豪が租税回避地(タックスヘイブン)を利用して「節税」などに努める実態を暴露した通称「パナマ文書」を機に、対策強化を求める声が高まっている。4月中旬にワシントンで開かれた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議も主要議題として取り上げ、新たな規制導入を決めた。

 会議では、欧州諸国が「ブラックリストを作成して制裁を科す必要がある」と主張。これに対し新興国が慎重な姿勢を見せた。だが財政赤字を抱え、税収を確保したい先進諸国の事情が勝り、新たな国際的な規制強化策が共同声明に盛り込まれた。

 新たな対策の柱はペーパーカンパニーの監視強化だ。国際的な制度の未整備もあり、従来は実質的な所有者の…

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会川 晴之

毎日新聞北米総局特派員

1959年東京都生まれ、北海道大学法学部卒、87年毎日新聞入社。東京本社経済部、政治部、ウィーン支局、欧州総局長(ロンドン)、北米総局長(ワシントン)などを経て、2018年12月から現職。日米政府が進めたモンゴルへの核廃棄計画の特報で、11年度のボーン・上田記念国際記者賞を受賞。日本発の核拡散を描いた毎日新聞連載の「核回廊を歩く 日本編」で、16年の科学ジャーナリスト賞を受賞。著書に「核に魅入られた国家 知られざる拡散の実態」(毎日新聞出版)。