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道順と情景を伝える「虫の目」と「鳥の目」

川井龍介・ジャーナリスト

 住所や建物の名前がわかれば、スマホやカーナビで簡単に目的地を探すことができます。一方、これに慣れすぎて、言葉による説明が苦手と感じる人は多いのではないでしょうか。

 言葉での説明は、「相手は何も知らない」という前提に立ち、わかりやすく丁寧に言い表す必要があります。そのためには、相手の目線に立って、ビデオカメラで路上を写すように一つひとつ細かく説明することです。しかし、細かすぎると相手は疲れてしまうかもしれません。

 そこで、こういうときの説明の仕方を考えるとき、「虫の目」と「鳥の目」が必要だと言われます。ひとつ例を挙げて考えてみましょう。

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ジャーナリスト

1980年慶応大学法学部卒。新聞記者などを経てフリーのジャーナリスト、ノンフィクションライター。実用的な文章技術を説いた「伝えるための教科書」(岩波ジュニア新書)をはじめ「大和コロニー~フロリダに『日本』を残した男たち」(旬報社)、「フリーランスで生きるということ」(ちくまプリマ―新書)を2015年に出版。このほか「ノーノー・ボーイ」(ジョン・オカダ著、旬報社)の翻訳をてがける。