スキル・キャリア職場のハラスメントどう防ぐ?

「好き嫌い」で指導するとパワハラになりやすい

井寄奈美 / 特定社会保険労務士

パワハラ編(2)

 筆者が企業でハラスメント研修をする際、「部下を指導する時、『これはパワハラになるのでは』とためらうことがある」と答える管理職が多くいます。特に、アルバイトの多い業種の場合、彼らをきつめに指導すると、「すぐに『パワハラ』と言われるのでやりにくい」という声も聞きます。

 しかし、パワハラと言われることを恐れて部下を指導しないのは、上司の仕事の一つを放棄していることになります。「指導」は管理職の職責の一部です。また、職場は価値観の違う人たちの集まりです。誰もが常に一定のストレスを感じています。人間同士ですから、「好き、嫌い」「ウマが合う、合わない」という感情もあって当然です。

 まずは、上司や部下も含め、すべての社員が上司の職責や職場について知っておく必要があります。そのうえ…

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井寄奈美

井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/