社会・カルチャー切ない歌を探して

苦しみを浄化するサザンの名曲「真夏の果実」

森村潘 / ジャーナリスト

 “切なさ”とは何か、あらためて考えてみる。「切ない=(寂しさ、悲しさ、恋しさなどで)胸がしめつけられるような気持ちだ。つらくやるせない(大辞林)」と辞書にあるように、一種の心の苦しさであることはまちがいない。

 では、素朴な疑問として、なぜ人は好んで切ない歌を聴くのだろうか。聴いていて胸が締めつけられるような気持ちになることを求めるのか。ほんとうに苦しいのなら聴けないはずなので、適度な苦しさ(胸がキュンとなる)なのだろうが、それにしても進んである種の苦しさを味わうことになる。

 思うに、それは一種の感情の浄化ではないだろうか。別れや望郷やさまざまなことを原因として人は、切ない…

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森村潘

森村潘

ジャーナリスト

大手新聞、雑誌編集などを経てコミュニティー紙の編集などに携わる。ジャンルを超えて音楽を研究、アメリカ文化にも詳しい。