スキル・キャリア職場のハラスメントどう防ぐ?

ベテラン女性社員の「逆パワハラ」はなぜ起きたのか

井寄奈美 / 特定社会保険労務士

 ある専門商社の子会社に、実質的に営業部の管理業務を仕切る社歴25年の女性社員Aさんがいました。Aさんは、一般職として専門商社に入社し、数年後、子会社に転籍しました。その際、当時の上司BさんがAさんを総合職に転換させました。それが、一般職で唯一転籍を命じられたAさんへの説得材料でした。

人事に振り回された事務職社員の「逆パワハラ」?

 転籍したとき、子会社には営業で外回りなどをする総合職の女性社員はおらず、結局、Aさんは一般職と同じ内勤事務を担当することになりました。その後、業績が低迷した子会社は、人件費削減のために事務を契約社員や派遣社員に担当させるようになり、総合職の給与体系が適用されるAさんの処遇が問題になりました。

 今さら、Aさんに総合職として外勤の営業を担当させるわけにもいきません。そこで、「昇格させないこと」…

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井寄奈美

井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/