政治・経済丹羽宇一郎の「商売道」

虚栄心は資本主義に必須だが猛毒もある

丹羽宇一郎 / 元伊藤忠商事社長

 「自分はこのような人間になりたい」という虚栄心が現実とピタッと合い、真実になった時に初めて虚栄心が「良い虚栄心」になります。しかし、お金をもらうだけ、おいしい物を食べたいなど、自分の欲望を満たすための虚栄心だけで生きるとすれば、それは寂しい話です。

 道徳も倫理もない、何をやっても良いから格好良くし、威張りたいというのが、「悪い虚栄心」です。最近、このような「悪い虚栄心」を持った人が世間にあふれています。

この記事は有料記事です。

残り1633文字(全文1837文字)

丹羽宇一郎

丹羽宇一郎

元伊藤忠商事社長

1939年生まれ。名古屋大学卒業後、伊藤忠商事に入社。社長、会長を歴任。社長時代の2000年3月期決算で3950億円の不良資産一括処理を決断し、翌年の決算で同社史上最高益をあげる。10年から約2年半、民間出身で初の中国大使を務める。著書に「人類と地球の大問題」「人を育てよ」「危機を突破する力」などがある。