「特製玉子かけご飯」(右)と「かけ汁だし茶づけ」(左)(各500円税込み、以下同)。そばのエッセンスを盛り込んだ、締めのごはんメニューだ
「特製玉子かけご飯」(右)と「かけ汁だし茶づけ」(左)(各500円税込み、以下同)。そばのエッセンスを盛り込んだ、締めのごはんメニューだ

くらしこの酒場この一品

締めのごはんメニューまで楽しい“そば屋酒”の誘い

印束義則 / ライター

東京・町田「蕎麦 粉練(こねり)」

 板わさや玉子焼きをさかなに一杯楽しみ、最後にそばで締める。そんな“そば屋酒”に憧れる人は多い。もともとそば店は古くから、酒場としての役割も兼ね備えてきた業態だ。

 時代は流れ、現代ではさかなや酒をより充実させた“そば居酒屋”も登場。いまやそば業態の一つとして、すっかり定着している。

 東京・町田の「蕎麦 粉練(こねり)」(東京都町田市原町田、小田急線町田駅徒歩10分、JR町田駅徒歩8分)も、そんなお店である。

店舗は白の塗り壁に木の温かみをプラスしたしゃれたデザイン
店舗は白の塗り壁に木の温かみをプラスしたしゃれたデザイン

ふんわり食感のそばがきで、まずは一杯!

 「いたわさ」(400円税込み、以下同)、「そばつゆの玉子焼き」(700円)、「本鴨焼き」(1100円)といった、そば店ならではの酒のさかなを注文。「さて、料理にはどの日本酒が合うかな?」と、常時約10〜12種そろえた銘柄をアレコレ思案すれば、そば屋酒に不慣れな人も気持ちの上では立派なそば通だ。

日本酒は常時10〜12種ほどの銘柄をそろえる。なくなり次第、順次入れ替えていく
日本酒は常時10〜12種ほどの銘柄をそろえる。なくなり次第、順次入れ替えていく

 おっと、そば店“王道”のさかなとして忘れてはいけないのが、そばがき。「粉練」の「ふんわりそばがき」(700円)はその名のとおり、“ふんわり”した食感に仕上げたもの。

 鍋にかける前に、ボウルでそば粉80グラムと水150〜160ミリリットルを合わせ、ダマがなくなるまで30秒ほど練る。鍋に移して強火で約2分、一気に練り上げてなめらかな食感を作り出している。

 器に盛ってそば湯を注ぎ、ゆず皮と三つ葉を添える。せいろなどの冷たいそばに用いる“ざる汁”と、薬味を付けて提供。ふんわり、なめらかな食感が、実に幸せな気分にさせてくれる一品だ。

「ふんわりそばがき」(700円)はその名の通り、ふんわり、なめらかな食感が特徴
「ふんわりそばがき」(700円)はその名の通り、ふんわり、なめらかな食感が特徴

そばのエッセンスが生きた締めのごはんメニュー

 そば店ならではの酒とさかなを堪能したら、最後はやっぱり「せいろ」(700円)や、たっぷりののりがかかった「のりかけ」(800円)で小粋に締めたいもの。

 そのうち、すっかりそば屋酒にはまり、何度も通い出すようになると、時には居酒屋的な利用に重きを置き、「うーん、今日はそばで締める気分じゃないな」と感じることもあるはず。そこでおすすめなのが、そば店と居酒屋のいいとこどりをした締めのごはんメニューだ。

 「特製玉子かけご飯」(500円)は、おわんにごはんを盛って卵をのせ、ごま油をかけて揚げたそばの実をちらし、カツオ節と水菜を添える。しょうゆの代わりに“ざる汁”をかけ、よく混ぜて食べる。

 一方、「かけ汁だし茶づけ」(500円)は、おわんにごはんを盛って、温かいそばに用いる“かけ汁”を流し、万能ねぎ、食用菊、揚げたそばの実、刻みのり、糸唐辛子を彩りよくちらす。別添えのワサビはお好みで。

そば粉はその時々の一番いいと思うものを用い、年に5〜6種ほど変える
そば粉はその時々の一番いいと思うものを用い、年に5〜6種ほど変える

 たとえ、そばを食べなくてもそばのエッセンスを楽しめる。そんな細やかな配慮がうれしい、そば居酒屋ならではの締めのごはんメニューである。裏技的にローテーションに組み込んで、そば屋酒の楽しみをグッと広げよう。

 その日の気分でメニューを自由に組み立てられるようになれば、もはや立派なそば通だ。

店主の原田和彰さん
店主の原田和彰さん

●蕎麦 粉練(こねり):東京都町田市原町田2の2の1/電話:042・850・9160/営業時間:12時〜14時(ラストオーダー14時)、18時〜23時(ラストオーダー23時)/定休日:火曜日

 <「この酒場この一品」は、隔週木曜日の更新です>

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印束義則

印束義則

ライター

1966年福岡県生まれ。飲食店専門誌を多数発行する旭屋出版で「すしの雑誌」など専門誌、ムック編集に携わり、独立後はライターとして幅広く活躍。これまでに取材した飲食店は2000店以上、ローカル立地の繁盛店などニッチな飲食店情報に強い。「月刊近代食堂」(旭屋出版)に「ローカル実力店の強さの秘訣」「繁盛店を作るメニュー表」、「日本外食新聞」(外食産業新聞社)に「二等立地…地方立地…ありえない立地 印束義則の繁盛店実況中継」を連載中。

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