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都心マンション価格はたぶんバブルなので要注意

塚崎公義・久留米大学商学部教授

都心マンション価格(2)

 高値がついている都心部のマンションの価格はバブルなのでしょうか。筆者は、いまがバブルか否か、自分なりに四つの条件をつけて考えています。その4条件がそろったらバブルだと考えるわけです。一つずつ、詳しく説明していきましょう。

1.金融が緩和されている

 金融が引き締められると、バブルは持続できないので、金融緩和が継続されていることは必要条件です。1980年代後半から90年代はじめにかけてのバブルの時は、日本の景気は絶好調で、インフレを心配する人もいました。

 ところが当時は急激な円高で輸入価格が下がっていたので、インフレにはなっておらず、金融も緩和されたままでした。米国でも、2000年のITバブルの時、そして、2008年のリーマン・ショックの遠因となった不動産バブルの時も、金融は緩和されていました。

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久留米大学商学部教授

1981年、東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関係の仕事に従事した後、2005年に銀行を退職して久留米大学へ。「退職金貧乏 定年後の『お金』の話」「老後破産しないためのお金の教科書」「増補改訂 よくわかる日本経済入門」「世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書」「なんだ、そうなのか! 経済入門」など著書多数。