発売されたばかりのiPhone7
発売されたばかりのiPhone7

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SIMフリーiPhone7をOCNで使うと2年で10万円安

石野純也 / ケータイジャーナリスト

 大手通信事業者経由で購入するのが一般的なiPhoneだが、買い方はほかにもある。アップル自身が、特定の通信事業者でしか使えない「SIMロック」のかかっていない「SIMフリーモデル」を販売しており、これを入手すれば、格安スマホなどと呼ばれるMVNOのネットワークとも組み合わせて利用できる。

 iPhone 7、7 Plusも、これまでのiPhoneと同様、アップルストアでSIMフリーモデルを購入可能だ。通信事業者経由で買うときのような割引はつかないが、通信費の安いMVNOで使えば、2年間の総額では安くなるケースも多い。

 たとえば、ドコモでiPhone 7の128ギガバイト(GB)を買うと、端末価格は8万7000円かかる。その際に、毎月の通信料に2150円の割引がつき、これを本体価格の割引と見なした際の「実質価格」は3万5400円になる。一方で、iPhone 7のSIMフリーモデルは、128GB版が8万3800円だが、通信に対する割引はつかない。ドコモより本体価格はやや割安だが、実質価格では大きな差が出ている。

OCNの通信料は5GB月2150円

 一方で、大手通信事業者とMVNOでは、通信費が大きく異なる。主流の5GBプランで比較した場合、ドコモは7000円からなのに対し、MVNOのシェア1位であるNTTコミュニケーションズの「OCNモバイルONE」では、2150円と3分の1以下ですむ。

日本では、通信事業者大手3社と、アップル自身がiPhoneを取り扱っている。写真はドコモが販売するもの
日本では、通信事業者大手3社と、アップル自身がiPhoneを取り扱っている。写真はドコモが販売するもの

 これを2年間の通信料に換算すると、ドコモは16万8000円で、OCNモバイルONEは5万1600円。実に10万円以上の差がつく計算で、本体価格の差が埋まるどころか、総額ではOCNモバイルONEの方が安くなる。本体と2年間の通信費を合算すると、ドコモが20万3400円、OCNモバイルONEが13万5400円だ。

 ただし、OCNモバイルONEの基本料金には、ドコモにある通話定額が含まれていないため、同じように通話しようとすると「OCNでんわ 5分かけ放題オプション」に加入する必要がある。こちらの料金は月額850円。2年で2万400円になるが、それでもまだ合計で15万5800円で、トータルでのコストはドコモより低い。

アップルペイも使える

 MVNOは利用者の通信が集中する昼の12時台に速度が低下したり、大手通信事業者のようにショップが全国津々浦々になかったりするが、こうしたデメリットさえ我慢できるようであれば、2年で5万円前後の節約が可能になる。

SIMフリー版のiPhoneは、アップルストアで購入することが可能で、オンラインでの販売も行っている
SIMフリー版のiPhoneは、アップルストアで購入することが可能で、オンラインでの販売も行っている

 特にiPhoneは通信事業者のサービスなどに依存する部分が少なく、SIMフリーモデルでも、ほとんどの機能は同じように使える。iPhone 7に搭載された非接触決済の「アップルペイ」なども、MVNOで利用できる。サポートもアップル自身が行っており、故障時の修理などの体制も万全だ。

 一方で、通信容量を気にせず、思う存分使いたいというときは、大手通信事業者に軍配が上がるケースも増えてくる。そもそもMVNOには大容量プランの設定がないことも多く、選べる事業者が限られてしまう。

使い方によっては逆に高くなるケースも

iPhone 7、7 Plusの登場に合わせ、大手通信事業者3社が、こぞって20GB以上の大容量プランを発表した
iPhone 7、7 Plusの登場に合わせ、大手通信事業者3社が、こぞって20GB以上の大容量プランを発表した

 シェアでいうと、MVNO1位のOCNモバイルONEは10GBのプランまでしかなく、2位のIIJmioも同様に10GBが最大だ。使い放題プランを提供しているUモバイルや、20GB以上の大容量プランがあるイオンモバイルのようなMVNOもあるため一概には言えないが、大容量プランは比較的料金も高く、大手通信事業者との差は小さくなる。

 イオンモバイルで20GBプランを選んだ際の料金は4980円で、先に挙げたiPhone 7の128GB版の端末代を足すと、2年間での総額は20万3320円。ドコモよりわずかに安い程度となり、手間やMVNOならではのデメリットを考えると、あえて選ぶ魅力は薄くなっている。また、イオンモバイルのケースでは、通話定額も含まれていないため、電話の量によってはドコモより高くなることもある。

 とはいえ、大手通信事業者で買うことだけが、唯一の選択肢ではない。iPhone 7、7 Plusを購入する際は、MVNOも含め、さまざまな買い方を検討してみてもいいだろう。

 <「知ってトクするモバイルライフ」は、毎週火曜日に掲載します>

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石野純也

石野純也

ケータイジャーナリスト

1978年、静岡県生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒。2001年、宝島社に入社。当時急速に利用者数を伸ばしていた携帯電話関連のムック編集に携わる。05年には独立してフリーランスのジャーナリスト/ライターに転身。通信事業者、携帯電話メーカー、コンテンツプロバイダーなどを取材、幅広い媒体に原稿を執筆する。業界動向を記したビジネス書から、端末の解説書まで著書も多い。

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