IT・テクノロジーネットから読み解く経済・社会

「デジタルで聴く」「ライブに行く」音楽体験が二極化

まつもとあつし / ジャーナリスト

し放題サービスの仕組み(2)

 音楽配信サービスのスポティファイや、電子書籍キンドルなどは、CDや本で所有していたコンテンツのあり方を大きく変化させるものです。スポティファイなどの仕組みについては前回お伝えしました。今回は、「所有」のあり方が変化している背景や理由を見ていきます。

 広辞苑で「所有権」を引くと、「有体物の全面的かつ絶対的な支配(自由な使用・収益・処分)を内容とする最強の権利」とあります。公正取引委員会が2014年に、「電子書籍は物ではなく情報である」という見解を示したように、デジタルコンテンツは物(有体物)ではないので、「所有」という考えが及びません。

 所有できないにもかかわらず、なぜコンテンツは○○放題などの「使用」のみのサービスが広まっているので…

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まつもとあつし

まつもとあつし

ジャーナリスト

ITベンチャー、出版社、広告代理店、映像会社などを経て、現職。ASCII.jp、ITmedia、ダ・ヴィンチなどに寄稿。著書に「知的生産の技術とセンス」(マイナビ/@mehoriとの共著)、「ソーシャルゲームのすごい仕組み」(アスキー新書)など。取材・執筆と並行して東京大学大学院博士課程でコンテンツやメディアの学際研究を進めている。