東京・六本木の街並み
東京・六本木の街並み

くらしマンション・住宅最前線

六本木に完成した国際基準高級マンションのすごさ

櫻井幸雄 / 住宅ジャーナリスト

 東京都港区六本木4丁目。東京ミッドタウンに近く、三河台町の呼び名を持つ場所で、注目すべきマンションの分譲が行われている。

 マンションの名前は「プラウド六本木」。プラウドのブランド名で分かるとおり、野村不動産が「HKRJ Roppongi特定目的会社」とともに事業主となるマンションだ。香港に本社を置く国際的デベロッパーHKRIと野村不動産が手を組み、超都心の分譲マンションを開発したのである。

 これは非常に興味深い。海外の発想を取り入れたマンションが日本の中心地、それも高級マンションが建ち並ぶエリアに誕生するからだ。

プラウド六本木のリビングルーム
プラウド六本木のリビングルーム

海外コンドミニアムの発想を取り入れて

 日本のマンションと海外のマンション(海外ではコンドミニアム)は、異なる部分が多い。生活習慣や住宅に関する考え方の違いもあり、住宅の設計で異なる特徴が生じている。

 だから、外国の不動産会社が日本でマンションを開発したら、いったいどんなものになるのか……常々そう思い、実現する日を楽しみにしてきた。

 今回、「プラウド六本木」では、HKRIの国際感覚と、日本で多くの都心高級マンションをつくり続けてきた野村不動産の経験が融合。これまでにない都心マンションが実現することになった。実際、販売センターで見る完成予想模型とモデルルームは驚きに満ちていた。その一端を紹介したい。

 まず、注目したいのは建物の階数。地上5階建てまで建設できる場所なのだが、あえて地上4階建てにして、階高(ひとつの階のコンクリート床面から、すぐ上の階のコンクリート床面までの高さ)を約3.3メートルと高くしている。その結果、各住戸の天井が高くなり、高い部分は2.75メートルとなる。

 また、階高にゆとりがあるため、床下にも十分な空間が確保でき、間取りの自由度が高まる。将来のリフォームで、キッチンやお風呂、洗面所、トイレの場所を変更できるようになっているわけだ。

 階数を減らすので、各住戸の体積(立方体の面積)が大きくなり、住戸をゆったりつくることができる仕組みである。「プラウド六本木」は、地上5階建てにすることができた。しかし、HKRJの国際感覚は、戸数を減らしてでも、各住戸のゆとりや間取りの自由度を高めるほうを選んだ。

ラウンジの完成予想図
ラウンジの完成予想図

天井高は2.75メートル、全戸面積100平方メートル以上

 その結果、住戸の天井高は最大2.75メートルと、低層マンションとしては珍しいほど高くなった。加えて、住戸の専有面積も大きい。全住戸100平方メートル以上で、最大の住戸は約318平方メートルだ。都心部の恵まれた場所に建つマンションであれば、100平方メートル以上の広さは当然--これも、国際基準(グローバルスタンダード)の考え方だろう。

 販売センターに設けられた約222平方メートルのモデルルームは、2LDKの間取りをゆったり配置。主寝室とともにゲスト用の寝室を設け、ゲスト用の寝室にはベッドのほかに、コーナーソファをオプション設置。ゲストとして招かれた夫婦には、こういうソファが必要ということか。この間取りも、従来の日本のマンションにはなかった発想でつくられている。

 プラウド六本木は、標準仕様のレベルが高いのも特徴。たとえば、奈良・宝蔵院の床づくりでも知られる「昭和洋樽」によるチェリー(桜)材のフローリングを採用し、留め具で絵や写真を飾るオプションを用意するといった野村不動産ならではの心遣いも、随所に見られた。

 「プラウド六本木」は都心高級マンションだが、販売センターを公開し、多くの人がモデルルームを見ることができる。それは、一見に値するモデルルームだった。

プラウド六本木の外観
プラウド六本木の外観

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櫻井幸雄

櫻井幸雄

住宅ジャーナリスト

1954年生まれ。年間200物件以上の物件取材を行い、首都圏だけでなく全国の住宅事情に精通する。現場取材に裏打ちされた正確な市況分析、わかりやすい解説、文章のおもしろさで定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞、日刊ゲンダイで連載コラムを持ち、週刊ダイヤモンドでも定期的に住宅記事を執筆。テレビ出演も多い。近著は「不動産の法則」(ダイヤモンド社)。

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