堺市にある大仙陵古墳(仁徳天皇陵)=2015年7月24日、川平愛撮影
堺市にある大仙陵古墳(仁徳天皇陵)=2015年7月24日、川平愛撮影

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歴史を考える楽しみにあふれた「げんきな日本論」

重里徹也 / 文芸評論家、聖徳大教授

 教養の大切さを説く声をよく聞くが、それでは一体、教養とは何なのか。一つの答えをとりあえずいえば、歴史を知ることではないか。

 おそらく突拍子もない考え方ではないだろう。司馬遼太郎が相変わらず人気が高いのも、歴史を知ったり、楽しんだりすることで、広義の教養が身についていく感覚があるのも理由の一つのはずだ。

 私は30歳を過ぎてから、司馬作品を片っ端から読んだ。それまで距離を感じていた日本や海外の歴史が、急…

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重里徹也

重里徹也

文芸評論家、聖徳大教授

1957年、大阪市生まれ。大阪外国語大(現・大阪大外国語学部)ロシア語学科卒。82年、毎日新聞に入社。東京本社学芸部長、論説委員などを歴任。2015年春から聖徳大教授。著書に「文学館への旅」(毎日新聞社)、共著に「村上春樹で世界を読む」(祥伝社) などがある。