くらし下流化ニッポンの処方箋

「生活保護は施しではなく国民の権利」という常識

藤田孝典 / NPO法人ほっとプラス代表理事

 1950年に施行された生活保護法は、自立できない怠け者の国民に施しを与える慈愛深い制度でしょうか。それとも、健康で文化的な最低限度の生活を送るために、足りないお金を国家が補助する制度でしょうか。言うまでもなく、法の趣旨は後者です。そして次の四つの原理で構成されています。

 困窮する国民を国の責任で保護し、自立を促す「国家責任の原理」▽困窮の理由を問わず、誰でも困窮していれば保護を受けられる「無差別平等の原理」▽健康で文化的な生活水準を維持できる「最低生活保障の原理」▽利用し得る資産、能力その他あらゆるものを活用することを要件に保護を受けられる「補足性の原理」

この記事は有料記事です。

残り2287文字(全文2569文字)

藤田孝典

藤田孝典

NPO法人ほっとプラス代表理事

1982年生まれ。NPO法人ほっとプラス代表理事、聖学院大学人間福祉学部客員准教授、反貧困ネットワーク埼玉代表。厚生労働省社会保障審議会特別部会委員。ソーシャルワーカーとして現場で生活困窮者支援をしながら、生活保護や貧困問題への対策を積極的に提言している。著書に「貧困クライシス 国民総『最底辺』社会」(毎日新聞出版)「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」「ひとりも殺させない」「貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち」など。

イチ押しコラム

知ってトクするモバイルライフ
 

ドコモ、au、ソフトバンク「春の学割」おトク度比較

 携帯電話市場は、2月から3月にかけての「春商戦」が最大の商戦期だ。4月に中学、高校、大学などに入学する学生や、就職を控えた新社会…

ニッポン金融ウラの裏
藤原弘治・全国銀行協会会長=小原擁撮影

全銀協会長の「貧困問題に取り組む」発言の注目度

 子どもの貧困に象徴される格差問題に対する取り組みの機運が、銀行業界に芽生え始めている。格差拡大という深刻な社会構造のなかでの銀行…

藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」
ベルリンの壁を外国人が徒歩で越えられる関門だったチェックポイントチャーリーの跡。筆者も28年前に通過した(写真は筆者撮影)

東西ベルリンの追憶「チェックポイントチャーリー」

 ◇ドイツ・ベルリン編(3) 「テロのトポグラフィー」(ナチスの恐怖政治のエスカレーションを記録した博物館)の展示に、地に沈み込ん…

メディア万華鏡
53歳の誕生日を前に記者会見をされる秋篠宮さまと紀子さま=東京都港区の秋篠宮邸で2018年11月22日、代表撮影

秋篠宮さま発言「聞く耳持たなかった」宮内庁の失態

 秋篠宮さまの53歳の誕生日を前にした記者会見。報道は見事に分かれた。11月30日の各紙朝刊は「大嘗祭(だいじょうさい)は宗教色が…

職場のトラブルどう防ぐ?
 

「有休取らない社員」年5日取得義務化でどう変わる

 A夫さん(46)は、社員数約50人のソフトウエア開発会社の経営者です。3年ほど前から社員の働き方を見直したり、年次有給休暇の取得…