政治・経済良い物をより高く売る経営

労働力減少でも過剰サービスが止まらない日本の現実

中村智彦 / 神戸国際大学教授

宅配便の遅配への怒りと戸惑い(2)

 宅配便最大手ヤマトホールディングスの2016年4~12月期の連結営業利益は約560億円で、前年同期比1割減の見込みだという。宅配便の取扱個数は4~11月で8.8%増加しているのにもかかわらず、である。大口顧客向けの割引の影響が出ているようだ。

 小口輸送を行う運輸業各社のテレビCMなどを見ると、貨物運輸の現場は自動化が進み、ベルトコンベヤーがかなりのスピードで荷物を運び、仕分けていることがわかる。実際、自動化は進んでおり、荷物の仕分け場を見学するとそれを目の当たりにできる。

 だが仕分け場以外では、いまだに多くの人手が必要だ。特に宅配便のような小口貨物の場合、その形状や重量…

この記事は有料記事です。

残り1774文字(全文2080文字)

中村智彦

中村智彦

神戸国際大学教授

1964年、東京都生まれ。88年、上智大学文学部卒業。96年、名古屋大学大学院国際開発研究科博士課程修了。外資系航空会社、シンクタンクで勤務。大阪府立産業開発研究所、日本福祉大学経済学部助教授を経て、現職。専門は中小企業論と地域経済論。中小企業間のネットワーク構築や地域経済振興のプロジェクトに数多く参画し、日テレ系「世界一受けたい授業」の工場見学担当も務める。