八代亜紀さんは2015年、東京を代表するジャズクラブ「ブルーノート東京」にも出演した。写真は本番当日のリハーサル=2015年11月17日、後藤由耶撮影
八代亜紀さんは2015年、東京を代表するジャズクラブ「ブルーノート東京」にも出演した。写真は本番当日のリハーサル=2015年11月17日、後藤由耶撮影

社会・カルチャー切ない歌を探して

“ナガレモノの哀しみ”を歌う八代亜紀「五木の子守唄」

森村潘 / ジャーナリスト

 演歌や歌謡曲の大御所が歌うジャズには、人の心をぐっとつかむ力がある。若いころはジャズやポップスを歌い、プロになるため歌謡曲の道に入った人なら、なおさらだ。洋楽の世界で生きたかもしれない力を持っているからだ。

 八代亜紀も、デビュー前はクラブでジャズやポップスを歌っていた。歌謡曲の世界では「雨の慕情」(1980年)の大ヒットなど、いくつも金字塔を打ち立てた。その彼女が2012年にリリースした「夜のアルバム」は、スタンダードや歌謡曲をジャジーに、そしてブルージーにまとめた作品で、話題になった。

 「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」からはじまり、「サマー・タイム」「枯葉」といったスタンダードが続…

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森村潘

森村潘

ジャーナリスト

大手新聞、雑誌編集などを経てコミュニティー紙の編集などに携わる。ジャンルを超えて音楽を研究、アメリカ文化にも詳しい。