社会・カルチャーベストセラーを歩く

ネタバレ注意!村上春樹「騎士団長殺し」は優れたホラー

重里徹也 / 文芸評論家、聖徳大教授

 前半とても面白くて夢中になって読み進んだのだけれど、途中から(第2部の真ん中あたりから)、やや物足りなさを感じた。村上春樹の新作「騎士団長殺し」2冊を数日間で読了しての率直な感想だ。

 主人公は36歳の画家。妻との離婚話が起きて、彼がある年の5月から9カ月余を神奈川県小田原市郊外の山荘で過ごした日々が描かれる。

 主人公の「私」が奇妙な世界に巻き込まれる一人称小説だ。しかも彼は、他の誰かによって描かれた図に従っ…

この記事は有料記事です。

残り1567文字(全文1773文字)

重里徹也

重里徹也

文芸評論家、聖徳大教授

1957年、大阪市生まれ。大阪外国語大(現・大阪大外国語学部)ロシア語学科卒。82年、毎日新聞に入社。東京本社学芸部長、論説委員などを歴任。2015年春から聖徳大教授。著書に「文学館への旅」(毎日新聞社)、共著に「村上春樹で世界を読む」(祥伝社) などがある。

イチ押しコラム

世界透視術
中国・北京の人民大会堂

中国富豪の転落死でネットに書かれた「七三死」の意味

 南仏プロバンスにある山村で7月3日、高さ10メートルほどの教会の石壁の上から中国人富豪が転落して死んだ。米誌「フォーチュン」の国…

職場のトラブルどう防ぐ?

「36協定」に署名を求められた32歳営業マンの不安

 A太さん(32)は、従業員数約20人の機械卸会社の営業マンです。2年ほど前に今の会社へ転職しました。職場の雰囲気にも慣れ、気持ち…

メディア万華鏡
秋篠宮家の長女・眞子さまと小室圭さん=2017年9月3日、代表撮影

「小室さん留学意向」の記事と新聞・週刊誌の皇室報道

 なんだろうと疑問が湧いた。毎日新聞6月29日朝刊の「小室さん 米留学意向 今夏にも 眞子さま婚約内定者」という記事を読んだときの…

知ってトクするモバイルライフ
キーを搭載した従来型携帯電話として発売される「インフォバーxv」

SNS疲れの人へガラケー型「auインフォバー」復活

 KDDIが、デザインを重視した携帯端末を送り出す「auデザインプロジェクト」を再始動させ、今秋に「インフォバーxv」を発売する。…

藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」
ダーウィン市街北西部のマリーナに沈む壮絶な夕日(写真は筆者撮影)

豪ダーウィン 人口爆発アジアに近いのを生かせない町

 ◇豪ダーウィン編 広大なオーストラリアの中でも最も人口希薄な北部準州(ノーザンテリトリー)。州都ダーウィンは、世界4位の人口大国…