社会・カルチャーこちらもオススメ

音楽の美しさと奥深さを描く恩田陸「蜜蜂と遠雷」

重里徹也 / 文芸評論家、聖徳大教授

 芸術家や表現者を描いた小説がこのところ目立つ。歴史時代小説では絵師を描いた長編の出版が相次いでいるし、又吉直樹の芥川賞受賞作も、このカテゴリーに入るだろう。村上春樹の新作も、肖像画家を主人公にしていた。

 その理由として考えられるのは、彼らを登場させると、村上の言葉を借りれば、「魂」を扱いやすいということがある。魂という言葉があいまいなら、生きる意味とか、生きる喜びといいかえてもいい。

 逆にいうと政治(革命や政治活動)や立身出世(経済的成功も含めて)を題材にしても、なかなかそういう問…

この記事は有料記事です。

残り1495文字(全文1739文字)

今なら最大2カ月100円! キャンペーン実施中! 詳しくはこちら

重里徹也

重里徹也

文芸評論家、聖徳大教授

1957年、大阪市生まれ。大阪外国語大(現・大阪大外国語学部)ロシア語学科卒。82年、毎日新聞に入社。東京本社学芸部長、論説委員などを歴任。2015年春から聖徳大教授。著書に「文学館への旅」(毎日新聞社)、共著に「村上春樹で世界を読む」(祥伝社) などがある。

イチ押しコラム

知ってトクするモバイルライフ
1月末に発売されるウイコウの「トミー3プラス」

仏でシェア2位「ウイコウ」1万4800円スマホの勝算

 フランスに本拠を置くスマホメーカー「ウイコウ(Wiko)」の日本法人が、1月末に新モデルの「トミー3プラス」を発売する。 トミー…

藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」
アフリカ最南端・アグラス岬に向かうオバーバーグ地方には、羊の牧場に菜の花畑が織り交ざる、美しい丘陵地が広がっていた(写真は筆者撮影)

ケープタウンからアフリカ最南端アグラスへ車を駆る

 ◇南アフリカ編(3) 聞いていたレベルまでの治安の悪さは感じなかったケープタウンのダウンタウンで、5日間の契約でレンタカーを借り…

職場のトラブルどう防ぐ?
 

「自分勝手に勤務?」ママパートに困惑する歯科経営者

 A夫さん(42)は、自分のクリニックを経営する歯科医師です。パートの歯科衛生士で3児の母であるB子さん(33)の“自分勝手な勤務…

ニッポン金融ウラの裏
 

地域銀行が「収益力強化」のために今年やるべきこと

 今年の金融分野の課題は何か――。前回は証券市場の問題を考えたが、今回は間接金融、つまり銀行業界に目を向けてみたい。最大級のテーマ…

メディア万華鏡
西武・そごうのサイトに公開された広告動画

西武そごう広告とSPA!「残念なメディア」の共通項

 昨年の新語・流行語のトップ10に、性暴力を告発する「#MeToo」が入って喜んでいたら、新年早々、メディアと女性をめぐるがっかり…