予算委員会の証人喚問で証言のため挙手する「森友学園」の籠池泰典理事長(当時)=2017年3月23日、竹内紀臣撮影
予算委員会の証人喚問で証言のため挙手する「森友学園」の籠池泰典理事長(当時)=2017年3月23日、竹内紀臣撮影

スキル・キャリア思いを伝える技術

権力者の周りに発生する「忖度」は「空気読め」の一形態

川井龍介 / ジャーナリスト

 就任3年目のある企業の社長と話をしていると、「就任以来業績が伸びてきたんだ」というので、「それじゃ報酬もあがったんでしょう?」と聞きました。すると、「いや、親会社があるし自分じゃアップを提案できないよ。総務の方でそれこそ“忖度(そんたく)”して提案してくれれば別だが……」と苦笑します。

 出てきました。最近話題の言葉「忖度」です。辞書(大辞林)には「他人の気持ちをおしはかること。推察」とあります。この社長の場合、総務課あたりが「業績が伸びたから、社長はきっと報酬を上げてほしいと思っているだろう」と気持ちをおしはかることが「忖度」です。

 ずいぶん前に、ロックグループRCサクセションの忌野清志郎が歌った反原発ソングがCD化されるとき、所…

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川井龍介

川井龍介

ジャーナリスト

1980年慶応大学法学部卒。新聞記者などを経てフリーのジャーナリスト、ノンフィクションライター。実用的な文章技術を説いた「伝えるための教科書」(岩波ジュニア新書)をはじめ「大和コロニー~フロリダに『日本』を残した男たち」(旬報社)、「フリーランスで生きるということ」(ちくまプリマ―新書)を2015年に出版。このほか「ノーノー・ボーイ」(ジョン・オカダ著、旬報社)の翻訳をてがける。