切ない歌を探して

だれもが“夜の星”を見上げた昭和と坂本九の時代

森村潘・ジャーナリスト
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 NHKの朝ドラ「ひよっこ」を見ていて、主人のみね子やその友人、家族のけなげな姿に、ときどき胸がジーンとくることがある。

 そんなシーンの一つ。東京オリンピックの翌年、田舎から集団就職で東京に出てきたみね子たちが働くトランジスタ工場が倒産し、工場が閉鎖されることになった。 寮生活をしながら働いていたまだ10代の彼女たちは、突然職場を去らなければならなくなった。不安が渦巻くなか、最後に仲間たちとの別れを惜しみ、ひごろ余暇として親しんできたコーラスをする。

 曲は「見上げてごらん夜の星を」。作詞永六輔、作曲いずみたく、歌は坂本九。坂本の大ヒット「上を向いて…

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森村潘

ジャーナリスト

大手新聞、雑誌編集などを経てコミュニティー紙の編集などに携わる。ジャンルを超えて音楽を研究、アメリカ文化にも詳しい。