「大人のポテトサラダ」(480円税別、以下同)はワインとの相性もバッチリ
「大人のポテトサラダ」(480円税別、以下同)はワインとの相性もバッチリ

くらしこの酒場この一品

「ポテサラ」を大変身させた薫製オイルといぶりがっこ

印束義則 / ライター

福岡・渡辺通「リバーサイド コマツ」

 ビール、ハイボール、焼酎に合いそうな大衆居酒屋メニューを、ワインと相性のよい、しゃれた一品に仕立てる。そんな驚きと親しみのあるメニューを提供して人気なのが、大衆ビストロ「リバーサイド コマツ」(福岡市中央区渡辺通、地下鉄七隈線天神南駅徒歩2分、西鉄福岡(天神)駅徒歩3分)だ。2016年4月オープンの新しいお店で、「リバコマ」の愛称で親しまれている。

お店は川沿いにある。愛称「リバコマ」で親しまれている
お店は川沿いにある。愛称「リバコマ」で親しまれている

薫製と黒コショウで大人の味わいに

 いまや様々なスタイルが登場し、大衆メニューの中でも群を抜いてバリエーション豊かなのがポテサラ。これが「リバコマ」の手にかかると「大人のポテトサラダ」(480円税別、以下同)という、ちょっと意味深なメニューに早変わり。

薫製と黒コショウが大人の味わいを感じさせる
薫製と黒コショウが大人の味わいを感じさせる

 ボイルして潰したジャガイモ、ボイルした枝豆、カリカリにソテーしたベーコン、刻んだ「いぶりがっこ」(いぶしたたくあん)をマヨネーズであえ、ポテサラを作る。これを皿に盛り、煮卵をのせ、ミニトマトとベビーリーフ、ボイルしたオクラ、スナップエンドウ、金時ニンジンなどで飾る。そして仕上げに、薫製オリーブオイルと強めの粗引き黒コショウをかけて完成だ。

 ナイフで煮卵をザックリ切ると、半熟の黄身がとろーりと流れ出し、ビジュアル的にも大いに食欲をそそられる。いぶりがっことオリーブオイルが隠し味となり、薫製の香りが大人の雰囲気を楽しませてくれる。強めにかけた黒コショウのスパイシーさも大人の味わいで、ワインがぐいぐいすすむ。何ともクセになるメニューだ。

ナイフで煮卵を切ると、半熟の黄身がとろ~りと流れ出す
ナイフで煮卵を切ると、半熟の黄身がとろ~りと流れ出す

ごぼうを使った人気の和洋折衷メニューも

 メニュー変更で今は注文できなくなったが、同店には忘れられない人気料理「きんぴらごぼうのキッシュ」(380円)があった。どんなメニューかというと、その名のとおり、中にきんぴらごぼうを詰めたキッシュである。

現在は提供してないが、忘れがたい「きんぴらごぼうのキッシュ」(380円)
現在は提供してないが、忘れがたい「きんぴらごぼうのキッシュ」(380円)

 ささがきごぼうと、ごぼうにサイズを合わせたにんじんを塩、オリーブオイルでソテーし、濃い口しょうゆ、みりん、三温糖、唐辛子で味つける。形を整えたキッシュの生地に調味したごぼうとニンジンを入れ、卵液をかけ、160度のオーブンで20分焼き上げる。

 卵液は卵、牛乳、生クリーム、チーズ、塩を合わせたもの。三温糖を使うことでコクを出す。

 注文ごとに200度のオーブンで5~6分加熱し、香ばしく焼きめをつけて皿に盛る。グラナパダーノの粉チーズをかけ、レッドソレル、アマランサスを飾って提供していた。きんぴらごぼうとキッシュを融合させた何ともしゃれたメニューで、大衆メニューをおしゃれにおいしく提供したいという、お店のコンセプトを体現するような料理だったのだ。

きんぴらごぼうを中に詰めた和洋折衷メニュー
きんぴらごぼうを中に詰めた和洋折衷メニュー

 一見、意外性ばかりが目につくが、よく考えれば大衆居酒屋と大衆ビストロ。どちらも「大衆」というキーワードが共通する。案外、遠くて近い、そんなメニューなのかもしれない。ワインを片手に新しい大衆メニューを楽しもう。

●リバーサイド コマツ:福岡市中央区渡辺通5の24の1/電話:092・734・3005/営業時間:日曜~木曜・祝日17時半~翌1時(ラストオーダー24時)、金曜・土曜17時半~翌3時(ラストオーダー翌2時)/定休日:無休

 <「この酒場この一品」は隔週木曜日更新です>

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印束義則

印束義則

ライター

1966年福岡県生まれ。飲食店専門誌を多数発行する旭屋出版で「すしの雑誌」など専門誌、ムック編集に携わり、独立後はライターとして幅広く活躍。これまでに取材した飲食店は2000店以上、ローカル立地の繁盛店などニッチな飲食店情報に強い。「月刊近代食堂」(旭屋出版)に「ローカル実力店の強さの秘訣」「繁盛店を作るメニュー表」、「日本外食新聞」(外食産業新聞社)に「二等立地…地方立地…ありえない立地 印束義則の繁盛店実況中継」を連載中。

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