スキル・キャリア孔子は働く人の水先案内人

気を楽にもとう「理解者は天だけ」と孔子もぼやいた

羽深成樹 / 前内閣府審議官

 福沢諭吉は、人間が抱くさまざまな感情の中で「怨望(えんぼう)」をもっとも憎んだ。「ねたみ」である。「学問のすゝめ」の中で、次のように言っている。

 徳、不徳というが、本質は同じで、程度の差というものが多い。例えば「驕傲(きょうごう)と勇敢」、「粗野と率直」のように。だから、見方を変えれば、徳が不徳になり、不徳が徳になる。しかし、「怨望」は不徳にしかならない。なぜなら、怨望は、自分はじっとしていて、相手に不平を抱き、引きずり降ろそうとする心の働きだからである。

 福沢が言いたいことはこうだ。富める人、貧しい人、ツイてる人、いない人。人の置かれた環境はさまざまで…

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羽深成樹

羽深成樹

前内閣府審議官

1958年千葉県生まれ。81年東大法学部卒、大蔵省(現財務省)に入省。大蔵省主計局主査、防衛省大臣官房審議官、首相秘書官、財務省主計局次長、内閣府政策統括官などを経て、内閣府審議官。2017年7月退任。著書に「論語と『やせ我慢』」(PHP研究所)。