御宿海岸に建つ「月の沙漠」記念像=2008年9月、森村潘撮影
御宿海岸に建つ「月の沙漠」記念像=2008年9月、森村潘撮影

社会・カルチャー切ない歌を探して

童謡「月の沙漠」人生の旅もまたどこへ行くのか

森村潘 / ジャーナリスト

 「 ♪ 月の沙漠(さばく)を はるばると

    旅の駱駝(らくだ)が ゆきました」

 有名な童謡「月の沙漠」の歌いだしである。ここには日本的な情緒はない。「ふるさと」「赤とんぼ」など、名だたる童謡、唱歌が描く日本的な世界もない。日本には「沙漠」はないし「駱駝」も日常の光景の中には出てこない。つまり、「月の沙漠」に描かれているのは想像上の世界だ。

 おとぎ話や詩の中に出てくるような遠いアラブの国かどこかで、茫漠(ぼうぼう)たる「沙漠」を旅のラクダ…

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森村潘

森村潘

ジャーナリスト

大手新聞、雑誌編集などを経てコミュニティー紙の編集などに携わる。ジャンルを超えて音楽を研究、アメリカ文化にも詳しい。