「ザ・パークハウス 二子玉川碧の杜」の外観
「ザ・パークハウス 二子玉川碧の杜」の外観

くらしマンション・住宅最前線

穴場!? 世田谷・二子玉川に最新設備のマンション登場

櫻井幸雄 / 住宅ジャーナリスト

 「新味が乏しい」「お高くとまっている」……。そんな理由で購入者が遠のいた感のある東京都世田谷区の不動産物件。だがその結果、世田谷には新築マンション購入の“穴場”と呼べる状況が生まれている。それは、質の高いマンションが納得のいく価格で購入しやすいという意味である。

 とはいえ、価格が暴落しているわけではない。「このくらいの価格なら、都心部の上昇を考慮すると、むしろ割安」という価格水準だ。しかも、購入検討者が殺到しているわけではないので、じっくり品定めがしやすいという環境が生まれている。

実際の建物を見て検討できる

 その好例となるのが、9月23日から事前案内会が始まった「ザ・パークハウス 二子玉川碧の杜」(三菱地所レジデンス、小田急不動産)だ。

 事前案内会が始まっているが、同マンションはすでに建物ができあがっている。建物が完成してから販売を開始する方式で、販売は11月から始まる予定。実際の建物、住戸を見て購入を検討できるマンションである。

室内のモデルルーム
室内のモデルルーム

 建物の説明を始める前に、立地についてふれておきたい。というのも、なかなか好ましい立地条件を備えているからだ。

 最寄り駅は東急田園都市線の急行停車駅「二子玉川」。同駅から玉川高島屋SCの建物群を抜けて徒歩10分。途中からは街路樹が生い茂るハナミズキ通りを歩き、ほぼ平たんな道だ。

 駅からマンションまでの道には地元に根付いた商店街があるし、社宅や集合住宅が目立つ。庶民的な匂いのする場所で、「お高くとまっている」感じはない。世田谷らしい閑静な住宅地で、希少な立地だと評価された。

ゆとりのある広さが魅力

 「ザ・パークハウス 二子玉川碧の杜」の建物は、地上3階建てで総戸数が20戸。低層でアットホームな戸数規模である。世田谷には、低層・小規模のマンションが似合う。低層・小規模だが建物にお金をかけ、住戸はゆとりある広さのものが世田谷のマンションの王道だ。

 外観はタイル張り部分が多く、建物を囲むように樹木が配置されている。全20戸の規模だが、回廊のようなエントランスアプローチがあり、「こんなマンションに住んでみたい」と思わせる外観である。

1台の空調装置ですむエアロテック
1台の空調装置ですむエアロテック

 住戸はすべて南西向きとなり、85~106平方メートルの2LDKと3LDKの構成。平均専有面積は約93平方メートルでゆったりしている。

 だが、むやみに広すぎることもない。ある程度のお金を出して世田谷のマンションを買いたいという人にとってちょうどいい広さだろう。現実に、世田谷では80平方メートル以下か、逆に120平方メートル以上の住戸が多く、この広さは案外見つけにくい。

1台の空調装置で全部屋を冷暖房

 建物内では共用廊下側に窓を設けず、プライバシーを重視する設計が特徴。そして、このマンションの最大の注目点は「マンションエアロテック」を採用していることだ。

 マンションエアロテックは全館空調システムのことで、室内に1台の空調装置を配置するだけで、住戸内のすみずみまで換気と冷暖房を行い、居室ごと設定した温度に保つことができる。壁掛け式のエアコンは必要ないので、室内がすっきりする。しかも、24時間365日、居室だけでなくトイレも洗面所もきれいな空気で快適温度に保つことができる。

エアロテックからの室内吹き出し口
エアロテックからの室内吹き出し口

 三菱地所ホームの一戸建てではすでに6000戸もの採用実績があるが、三菱地所レジデンスが手がける分譲マンション「ザ・パークハウス」ブランドでは、本物件が初の全戸導入となる。

 全20戸で目立たない存在だが、立地、建物、空調システムに注目点が多い……。そんなマンションが今、世田谷区内で分譲を始めている。その分譲価格は取材時点で未定だった。

 立地と内容からして、「穴場の世田谷」といっても手を出しやすい価格設定にはならないだろう。しかし、ある程度の金額を出して高級住宅地のマンションを買いたいという人にとって、興味深いマンションであることは間違いない。

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櫻井幸雄

櫻井幸雄

住宅ジャーナリスト

1954年生まれ。年間200物件以上の物件取材を行い、首都圏だけでなく全国の住宅事情に精通する。現場取材に裏打ちされた正確な市況分析、わかりやすい解説、文章のおもしろさで定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞、日刊ゲンダイで連載コラムを持ち、週刊ダイヤモンドでも定期的に住宅記事を執筆。テレビ出演も多い。近著は「不動産の法則」(ダイヤモンド社)。

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