思い邪なし

思い邪なし17 祖父七郎と父畩市(三)

北康利 / 作家

第一章 勝ちに見放されたガキ大将

祖父七郎と父畩市(三)

 畩市(けさいち)は家計を助けようと、時には今で言うアルバイトもした。たとえば博多の祇園山笠の際、担ぎに行けばいい稼ぎになる。

 ところが彼は小学生なのに身体が大きいから重い飾り山を担がせられる。見た目は大きくても筋肉の発達はまだまだだから大変な負担だった。

 「だからあの頃に、腰やいろんなところ痛めたなあ…」

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北康利

北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。