社会・カルチャー戦国武将の危機管理

“冷や飯ぐい”本多正信が家康の懐刀に出世したわけ

小和田哲男 / 静岡大学名誉教授

 「家康の懐刀」などといわれ、また、「君臣の間、相遇(あ)ふこと水魚のごとし」とまで表現され、常に徳川家康のそばに影のようにつき従っている本多正信であるが、出世は意外に遅い。それは、永禄6(1563)年から翌7年にかけてくりひろげられた三河一向一揆のとき、正信が一揆側につき、家康と戦い、一揆鎮圧後、三河にいられず、大和、さらに加賀を転々としていたからである。

 ようやく同11(1568)年、友人だった大久保忠世が家康にとりなしてくれて帰参がかなっている。その…

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小和田哲男

小和田哲男

静岡大学名誉教授

戦国大名・今川氏のお膝元で、徳川家康の隠居先でもあった静岡市で1944年に生まれる。72年、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。専門は日本中世史。戦国時代史研究の第一人者として知られ、歴史番組でおなじみの顔。趣味は「城めぐり」で、公益財団法人「日本城郭協会」の理事長も務める。主な著書に「戦国の群像」(2009年、学研新書)、「黒田官兵衛 智謀の戦国軍師」(13年、平凡社新書)。公式サイト https://office-owada.com

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