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“現代”をからかう恋愛小説 ビートたけし「アナログ」

重里徹也 / 文芸評論家、聖徳大教授

 トリオ漫才というと「かしまし娘」や「レツゴー三匹」を思い出す。3人で織りなすお笑いは、コンビ漫才とはまた違ったダイナミックな魅力があったものだ。

 ギターや三味線を弾きながらのにぎやかなやりとり。ボケとツッコミの会話にもう一人がツッコミを入れる重層的な構造。彼らを思い浮かべると3人組というものの面白さを考えてしまうのだ。

 ビートたけしが「初めて自分で書いた」という小説「アナログ」(新潮社)を読みながら、しきりにそんなこ…

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重里徹也

重里徹也

文芸評論家、聖徳大教授

1957年、大阪市生まれ。大阪外国語大(現・大阪大外国語学部)ロシア語学科卒。82年、毎日新聞に入社。東京本社学芸部長、論説委員などを歴任。2015年春から聖徳大教授。著書に「文学館への旅」(毎日新聞社)、共著に「村上春樹で世界を読む」(祥伝社) などがある。