社会・カルチャー青春小説の系譜

林真理子「葡萄が目にしみる」思春期の真っすぐな思い

鶴谷真 / 毎日新聞学芸部記者

 やや太り気味で、パッとしない容姿の乃里子(のりこ)は葡萄(ぶどう)農家の娘。その「弘明館(こうめいかん)高校」時代の青春を描くのが1984年刊行の「葡萄が目にしみる」(角川文庫)だ。屈強かつ子どもっぽく、女子の圧倒的人気を集めるラグビー部員の岩永に注ぐ乃里子の視線が物語を貫き、読者を汗くさくてほこりっぽい高校の中へ引き込んでいく。

 著者は82年にデビューし、今や押しも押されもせぬ人気作家の林真理子さん。弘明館のモデルは文武両道の…

この記事は有料記事です。

残り1610文字(全文1827文字)

今なら最大2カ月100円! キャンペーン実施中! 詳しくはこちら

鶴谷真

鶴谷真

毎日新聞学芸部記者

1974年、神戸市出身。2002年毎日新聞社に入社し、岡山支局、京都支局を経て08年に大阪本社学芸部。13年秋から東京本社学芸部。文学を担当している。

イチ押しコラム

ニッポン金融ウラの裏
 

地域銀行が「収益力強化」のために今年やるべきこと

 今年の金融分野の課題は何か――。前回は証券市場の問題を考えたが、今回は間接金融、つまり銀行業界に目を向けてみたい。最大級のテーマ…

知ってトクするモバイルライフ
ディスプレーを折りたためる「フレックスパイ」

5Gに向け新作スマホ「二つ折り画面」は普及するか

 米ラスベガスで1月8~11日、世界最大の家電・IT見本市「CES」が開かれた。 パソコン、テレビから人工知能(AI)を採用した白…

藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」
アフリカの服やクラフトを売る店が150店も並ぶ「ウォーターシェッド」でエスワティニ(旧スワジランド)の手作り品を売っていた黒人と白人のコンビ(写真は筆者撮影)

ケープタウンを探索 カラフルな街並み“意外に安全”

 ◇南アフリカ編(2) シンガポールとヨハネスブルクで乗り換え、羽田から24時間少々かけてたどりついた、南アフリカ共和国のケープタ…

メディア万華鏡
西武・そごうのサイトに公開された広告動画

西武そごう広告とSPA!「残念なメディア」の共通項

 昨年の新語・流行語のトップ10に、性暴力を告発する「#MeToo」が入って喜んでいたら、新年早々、メディアと女性をめぐるがっかり…

職場のトラブルどう防ぐ?
 

遅刻常習バイトを解雇 コンビニ店長が払った“代償”

 A郎さん(36)はコンビニエンスストアの店長です。1カ月前にアルバイトで採用した高校生のB子さん(17)の遅刻や欠勤が多かったり…