思い邪なし

思い邪なし37 泣き虫からガキ大将へ(五)

北康利 / 作家

第一章 勝ちに見放されたガキ大将

泣き虫からガキ大将へ(五)

 鹿児島方言に“ぼっけもん”という言葉がある。大胆で思い切りがいいことを指し、薩摩男児の典型とされる。

 そういう意味では、稲盛は決して“ぼっけもん”ではなかった。父畩市(けさいち)が慎重居士であったことについてはすでに触れたが、ある意味、父親に近い慎重さを持っていた。

 京セラには「“一升買い”の原則」なるものがある。

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北康利

北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。