思い邪なし

思い邪なし45 稲盛家の戦後(二)

北康利 / 作家

第一章 勝ちに見放されたガキ大将

稲盛家の戦後(二)

 身体が回復してくると“ガキ大将”の地が出てくる。

 鹿児島中学一年のある日、ささいなことで西村シンゴというクラス一の暴れん坊と喧嘩(けんか)になった。

 動機はすこぶるばかばかしい。稲盛がセルロイドの下敷き飛ばしをやっていて、西村にあたりそうになったというのである。

 鹿児島中学と鹿児島実業の間に細い道があり、そこで学校帰りに“決闘”することになった。稲盛のクラスは…

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北康利

北康利

作家

1960年生まれ。東大法学部卒業後、富士銀行(現・みずほ銀行)入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券財務開発部長などを経て、2008年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。著書に「白洲次郎 占領を背負った男」、「吉田茂 ポピュリズムに背を向けて」など。